不動産投資家ストーリー

東京23区内の投資用ワンルームマンションの良い悪いの判断基準とは!?

モテない男がモテるには!? 第4話

翌日、俺と良介は新宿の喫茶店にいた。

 

普段は夜から飲みに行くことが多いが、今日は昼から呼び出した。
ワンルームマンション投資の相談だと言ったら、快く会いに来てくれた。

 

あいつは、ワンルームマンション投資で年間750万円もの家賃収入を得るようになった。
それなのに、俺の相談に親身に乗ってくれる。

 

良介は良い奴だ。
お金や女性も大事にしているだろうが、俺のことも忘れていない。

 

たまに送ってくる美女とのデート写真には強い嫉妬を感じる。
だが、それがきっかけであいつの副収入を知ることができたし。

 

良介との会話内容

 

昨日、ワンルームマンション投資のセミナーに行ったんだってな?
どうだった?

 

 

いやぁ、とても勉強になったわ。
初心者の俺でも、とても理解できた。

あ、前に良介にワンルームマンション投資の基礎を教えてもらってただろ。
だからある程度は理解できた。

 

 

で、どんな内容だった?
セミナーと言えば、講義と個別相談会の2段構成だろ?

 

 

さすが、ワンルームマンション投資王だけあるな(笑)
よくご存じで!

 

 

ワンルームマンション投資王って…。
世の中、もっとすごい不動産投資家がいるから静かにしてくれ(笑)

で、講義はどんなこと言ってた?

 

 

講義では、『失敗しないワンルームマンションの条件』について説明があった。

都内のワンルームマンション投資で失敗しない4つの条件として、
『中古物件』
『利回り4%以上』
『東京23区内』
『2階以上の18m2
を挙げてたな。

 

 

講師の説明は納得できたけど、良介から見てどう思う?

 

 

②の『東京23区内』には少し補足があるかなぁ。

 

 

え、補足?
具体的には?

 

 

東京23区内と言っても、賃貸需要の少ない地域もある。
賃貸需要を図るうえで重要なのは、駅の利用者数だ。

最寄り駅の1日の利用者数がたった2000人などという駅もたくさんある。
田舎の駅くらいひどい駅もあるんだ。

 

 

え!?
東京23区内に、田舎よりも利用者数がすくない駅ってあるの!?

 

 

あぁ、俺も初めて気づいたときはビビったけどね。

例えば、
・ゆりかもめの『市場前』『日の出』、
・東京モノレールの『整備場前』
などは1日中閑散としている。

もちろん、入居者も現れにくいし、住んでも退去したくなるだろうな。

 

 

たしかに、聞いたことない駅名だな。

 

 

他には、足立区の舎人ライナーの一部の駅。
隅田川から先は個別に精査が必要だね。

他には、荒川区や北区にも閑散とした駅があるなら要注意な。

 

 

お前、変態かと思うほど詳しいな。
不動産屋になった方がいいんじゃないか!?

けど、閑散かどうかは駅の利用者数で分かるとして、候補にして良い・悪いの基準ってあるの?

 

 

俺は、『乗降者数2万人以上の駅』を意識している。
東京23区内で2万人以上の乗降者数だと、駅前のお店も多くて生活に困らない。

ちなみに、私鉄は乗る人・降りる人を両方カウントして、乗降者数を公表している。
一方、JRは乗る人しかカウントせずに、乗車人員を公表している。

ここ間違えやすいから要注意な!

 

 

わ、分かった。
これからは東京23区内でも、駅の乗降者数・乗車人員もきちんと意識するよ。

 

 

あと、『利回り4%以上』だが、
俺は表面利回り4.5%以上を目指したい。

 

 

表面利回り4.5%以上!?
お、おまえ見た目の割に、細かい男なんだな!

 

 

見た目が悪いのは分かっているよ。
だが、男の魅力はお金だよ、お金♪

で、話を本題に戻そう。

表面利回り4%だと、『手残りがゼロになる』利回りだ。

 

 

え!?
どういうこと?

 

 

例えば、物件価格2,000万円で利回り4%のワンルームマンションが買ったとしよう。

年間家賃収入は80万円で、月6.7万円となる。

融資金額を、物件価格と同じ2000万円とする。金利は2.0%、期間は35年。
この条件での毎月のローン返済は・・・6.6万円。

 

 

あ!?
家賃収入と毎月のローン返済額が一緒だ!

 

 

実際には、オーナーは管理費・修繕積立金を支払わなければならないので、マイナスになる。だいたい月に0.5~1万円の持ち出しになる。

これでは、買った後はお金が減っていくだけだ。

 

 

確かに!
これでは、裕福な生活を送れない。

 

 

まぁ、実際にはローンの元本返済分だけ資産は増加している。
ただ、今の俺みたいに『豊かな生活』は難しいだろうな。

 

 

なるほど。
となると、4.5%以上を目指すわ。

 

 

ただ実際には、頭金をたくさん入れることで毎月の手残りを殖やすことはできる。
だが、ワンルームマンション投資は稼げる物件を買う事が重要なので、せめての基準として4.5%以上としている。

 

 

なるほど。
具体的な数字を出されると、とても分かりやすい。
良介の基準は、表面利回り4.5%以上なんだな。

 

 

で、その後の個別相談会ではどんな物件を提案されたんだ!?

 

 

提案されたのは、この東京23区内の3つのマンションだよ。

 

オススメのマンション①

・東京都豊島区(東京23区)
・JR山手線 大塚駅徒歩10分
・築25年、広さ25m2
・利回り5.5%
・販売価格2100万円
・家賃:年115万円・月10万円
・管理費&修繕積立金:年12万円・月1万円

 

オススメのマンション②

・東京都江東区(東京23区)
・東京メトロ東西線 門前仲町駅徒歩7分
・築20年、広さ22m2
・利回り5.3%
・販売価格:1800万円
・家賃:年95万円・月8万円
・管理費&修繕積立金:年12万円・月1万円

 

オススメのマンション③

・東京都港区(東京23区)
・JR山手線 田町駅徒歩10分
・築15年、広さ27m2
・利回り4.5%
・販売価格:2800万円
・家賃:年126万円・月10万円
・管理費&修繕積立金:年18万円・月1.6万円

 

 

どれが良いかな?
俺は、③の港区のワンルームマンションにしようかと思うんだが。

 

 

なぜ③の港区のマンションが良いと思ったの?

 

 

それはな、家賃収入と売却益の両方を狙えるからだよ。

港区のワンルームマンションは、いろんな買い手によって売買されてるらしい。
富裕層のこずかい稼ぎや相続対策、経営者のサブオフィスなど。

で、景気が良くなったら株式マネーや投資マネーが真っ先に流れ込んできて、価格が上昇しやすいらしい。

家賃を得ながら価格上昇してから売るってどうかな?

 

 

景気が良くならなかったら?
価格が上がらなかったら?

 

 

うぅ・・・。

 

 

ワンルームマンション投資の良い点は、安定的に家賃収入が入ってくること。

しかも、利回り3.6%なんて毎月のキャッシュフローがマイナスだぞ。
もし値上がりしなかったら毎月持ち出しが続くのはキツいぞ。

 

 

な、なるほど。

 

 

売却益で儲けたいなら、株やればいいじゃん。
不動産会社の株やREATを買っておけば、不動産相場に連動して上下するし。
それに、売買に手数料はほとんどかからないし。

 

 

た、確かに。

じゃあ、良介ならどれが良いと思う?
もちろん、無しっている回答もありだけど。

 

 

俺が言葉を発した瞬間、
良介の目つきが変わった。

 

販売図面をひとつずつ見つめている。
その目は、まるで獲物を狙うライオンだ。

 

良介は、6部屋ものワンルームマンションのオーナーだ。
俺みたいな一般人では、何を考えているのかは全く想像がつかない。

 

しばらくしてから、良介は口を開いた。

 

良介との会話の続き

 

提案②の門前仲町の物件、
すこし違和感がある。

 

 

え!?
違和感!?

俺には、全く想像つかないが。

 

 

この門前仲町のワンルームマンションの家賃設定がおかしい。

 

 

え!?
家賃設定が!?

 

 

年間家賃84万円ということは、月7万円!?
門前仲町駅から徒歩7分、築20年25m2で、年間7万円は安い。

この条件なら、家賃9万円でも可能だ。
なぜか分からないが、安い家賃になってる。

 

良介は、すぐさまスーモやホームズで家賃相場を調べてみた。
確かに、7万円という家賃は安い。

※スーモなどの画面

 

確かに、この条件で検索すると家賃は9万円前後が多い。
じゃあ、相場よりも安く貸しているってこと?

 

 

あぁ、そういうことだ。

 

 

それって、オーナー損してるってことじゃん。
という事は、②は無しだな。

 

 

いやいや、逆だよ。
俺からすると、お宝物件だよ。

 

 

え!?
なんで?

 

 

今の入居者が退去すれば、適正家賃で入居者を募集できる。
そうすれば、利回りはアップするってことだよね?

 

 

あ!なるほど!
今よりも高い家賃ででも募集できるのか!

 

 

俺の見たところ、家賃は2万円はアップできる。
年間の収支は24万円も改善でききる。

利回りでいうと、約6%から7.7%にアップする計算だ。

 

 

えっ!すごい!
利回り7.7%にアップ!?

利回り8%近いって、最高じゃん!

 

 

で、ここでさとしに質問。

適正家賃は月9万・年間108万円と分かりました。
とすれば、適正な売買価格はいくらでしょうか?

 

 

えーっと、この地域のワンルームマンションは、表面利回り5%くらいだと思う。
年間家賃108万÷利回り5%=2160万円ってこと?

 

 

販その通りの計算でOKだ。

つまり、この門前仲町のワンルームマンションは、
適正価格が2160万円のところ、1400万円で売られているんだ。

 

 

相場よりも、760 万円も安いってことか!?

 

 

そう言うこと!
このワンルームマンションは相場よりかなり安く売られている。

俺から見ても、とても超お宝物件だよ!

 

 

てか、お前頭良いな!
一瞬で相場より家賃が2万円安いって見抜くなんて。

さすが、ワンルームマンション投資王だな!

 

 

家賃が2万円も安いのは、色々物件探して手も半年に1件あるかどうかだ。
俺は、こういう相場よりもかなり安い不動産を『隠れたお宝物件』と呼んでいる。

最初にこのワンルームマンションを買えば、不動産投資は順調にスタートできるぞ。

 

 

ちょっと待って。
キャッシュフローも計算しなきゃ。

ローンは約9割の1200万円借りると、毎月の返済は4万円。

今の家賃7万円だと、家賃7万-返済4万-管理費1万=2万円。
相場の家賃9万円だと、家賃9万-返済4万-管理費1万=4万円。

このマンション、かなり利益残る物件だ!

 

 

さとし、この物件買った方が良い。
お前が買わなきゃ、俺が買う。

 

 

わ、わかった。
さっそく明日問い合わせてみるわ。

1400万円もの物件を買うと緊張してきた。

 

 

バカ野郎!
今すぐ問い合わせろ!
今すぐその不動産会社に行け!

俺もアドバイザーとして付いて行ってやるから。

 

 

良介が付いてきてくれるのか!?
それは頼もしい!

 

 

俺たちは、残っていたコーヒーをイッキ飲みして、不動産会社のある銀座に向かった。
道中、担当の営業ウーマンに電話して、物件がまだ売れてないことを確認。

 

俺たちは、急いで不動産会社の営業ウーマンに会いに行った。

 

途中、良介が不動産投資を始めた頃の話をしてくれた。

 

良介は25歳の頃に都内に中古ワンルームマンション投資を買おうと思って、あちこちのセミナーに参加したらしい。行く前は、『俺みたいな若造が行っても、多分歓迎されないだろうな』と思っていた様だ。

 

だが、その予想は良い意味で裏切られた。

 

どこのセミナーでもびっくりするくらい歓迎された。
年収や会社名を言うと、さらに歓迎度は上がった様に感じた。

 

ただ、最初の頃はいくら個別に提案を受けても、どのワンルームマンションが良いか判断できなかった。毎日毎日、都内のワンルームマンションを見比べる日が続いたらしい。

 

だが、セミナー参加を繰り返すうちに、良い物件とそうでない物件の違いが分かるようになった。セミナーに参加して物件を見続けたおかげで、ワンルームマンションを見る目が養われたそうだ。

 

そして、ついに立地も利回りも90点くらいの物件と出会うことができた。
セミナーに通い出してから3ヶ月目で、ついに大家さんとしてスタートできたらしい。

 

良介は、最初に物件選びで苦労したらしい。
だからこそ、今の俺の気持ちが分かるのだという。

 

そんな話をしていると、ついに不動産会社に到着した。

 

ビルに入る前に、良介が話しかけてきた。

 

 

交渉に俺も参加させてくれないか?
お前が有利になるよう、ベストを尽くすから。

もちろん、お前の考えに沿わないと思ったら、途中でストップかけてくれて良い。

 

 

わ、わかった。
ぜひ、お願いするよ。

 

良介は、今まではアドバイスなど後方支援をしてくれていた。
だが、今日は前面に出て一緒に交渉してくれるらしい。

 

ワンルームマンション投資王の良介が共闘してくれるなんて頼もしい。
俺は、良い友人を持って幸せだ。

 

 

ちなみに、貯金はいくらある?
あと、借金とかあったりする?

 

 

貯金は〇〇万円くらい。
借金は無いよ。

 

 

わかった。
じゃあ、乗り込むぞー!

 

俺たちは、意を決して不動産投資会社のビルに入っていった。
すると、営業ウーマンは俺たちを待ってくれていた。

 

営業ウーマンとの会話内容

 

さとし様、門前仲町のマンションをご検討いただいており、ありがとうございます。
ところで、こちらのお連れ様は?

 

 

友人の良介と言います。
私がワンルームマンション投資に不安だったので、一緒についてきてくれました。

同席していてよろしいでしょうか?

 

 

もちろんです。

 

 

突然の同席ですが、ご承諾ありがとうございます。
さとしは初心者ですが、本気でワンルームマンション投資を考えてます。

属性も、〇〇会社に勤続10年、年収700万円台、貯金〇〇万円、借金無しで、金融機関からの融資は問題無いかと思います。

 

 

まだ30代なのに素晴らしいですね。
ぜひ、ワンルームマンション投資でさらに高みを目指していただきたいです。

 

 

さとしは本気で頑張ると思います。

いくつかの物件を比較する中で、門前仲町のワンルームマンションが候補になりました。
場合によっては、早めの決断を下す予定であります。

 

なるほど。

 

最初に買う事ができる属性と、本気で検討中であることを伝えるのか。
そうすることで、決して冷やかしでないことをアピールするのだな。

 

 

ご検討いただき、ありがとうございます。
ご不明点など、なんでもお尋ねいただければと思います。

 

 

この物件は、御社は元付ですか?
それとも、客付ですか?

 

 

我々は、元付です。
売主様より、直接にご売却依頼を頂いてます。

 

 

売主の売却理由は何ですか?
立地は良いですし空室にも困ら無さそうなので、持ってて問題ないかと思われますが。

 

 

売主様は今年85歳とご高齢になり、相続に備えて資産の一部現金化を希望されています。

 

 

相続に備えて現金化?
相続対策と言えば、保有資産の評価価額を下げるために不動産購入するのが普通だと思うのですが…。

売主さんの保有資産は、不動産ばかりで現金が少ないのですか?

 

 

おっしゃられる通りです。

売主様は、かれこれ数十年間、不動産を増やし続けてこられました。
そのため、保有資産が不動産ばかりなのです。

このまま相続が発生しますと、手持ちの現金で相続税を支払えない可能性があります。
そのため、一部のワンルームマンションの売却を行っているのです。

 

 

納得です。

ちなみに、このワンルームマンションを提案した他の方の反応はいかがですか?

 

 

初心者の方に案内してますが、みなさん前向きな反応を示してくれてます。
ただ、まだ買付証明まではいただいてません。

 

 

既にいくつかの部屋を持っている投資家の反応はどうですか?

 

 

既存の投資家さまにはまだ提案してません。
最近は初心者向けセミナーが続いていたので、初心者の方にのみ提案してきました。

ひと段落すれば、既存顧客にも一斉メール送る予定です。

 

 

・・・なるほど。

 

 

その後、良介と営業ウーマンは質疑応答を繰り返した。

 

普段の管理はどうなっているか、大規模修繕の計画、周辺物件の成約状況などをやり取りしていて。正直言って、俺には理解できない内容も多々あり、横で頷いているしかなかった。

 

一通り質疑応答を終えると、良介が納得した表情でこっちを見た。

 

良介の言いたいことはすぐに分かった。
俺が、買うか見送るかの返事を待っているのだ。

 

良介の表情からすると、この物件は問題なさそうだ。
お買い得であることは、不動産会社に入る前に良介が言っていた通り。

 

だが、それでもなかなか決心がつかない。
なぜなら、その金額は1400万円もする。
簡単に買える金額ではない。

 

物件が良い条件であることは分かった。
後は1400万円という不動産を買うかどうかだ。

 

買おうか。
見送るか。

 

良介と営業ウーマンが見守る中、
俺は決断できないでいた。

 

その時だった。
良介がひとことつぶやいた。

 

 

少し休憩しよう。

 

俺たちは、席を外してビルの外に出た。
自動販売機でコーヒーを飲みながら、最後の相談をした。

 

良介との会話内容

 

あのワンルームマンションは買いだと思う。
最高のスタートを切れると思う。

ただ、買うも買わないもお前次第だが?

 

 

うーん。
迷うなぁ。

 

 

さとしよ、俺も最初は迷ったよ。

けど、頑張って最初の一歩を踏み出して挑戦した。
特に人生を大きく変えるには、『どれだけ若い頃に挑戦したか』で決まる。

お前にとって、イマがその挑戦の時じゃないのか?

 

 

良介の言葉を聞いて、
俺の中で引っかかっていたものが取れた。

 

俺は、何をビビッてるんだ。
たかが、1400万円で躊躇しているなんて。

 

俺も、良介みたいに不動産王を目指している。
家賃年収750万円、いや、それ以上を目指している。

 

それなのに、こんなところで立ち止まっていてどうする。
ここでワンルームマンションを買わないと今までの人生のままだ。

 

それに、ワンルームマンションを6戸も持つ良介が、良い物件だと言ってくれた。
これで失敗でもしたら、他の物件で成功などありえない。

 

もう迷うことはない。
人生を変えるために、
1400万円のワンルームマンションを買おう。

 

俺は、良介の手を掴んで営業ウーマンの元に戻った。

 

 

営業ウーマンさん。
俺、このワンルームマンション買います!

購入手続きを進めてください!

 

それからの営業ウーマンの手際は非常に速かった。

 

今後の流れとしては、
銀行の仮審査⇒売買契約⇒本審査・金消契約⇒決済・引渡となる。

 

その日は、買付証明を書いて提出。
売主に意思表明した上で、仮審査が通過したら売買契約となる。

 

ひと通り説明を聞いて、俺と良介は不動産会社を後にした。

 


 

不動産会社を出た俺は、爽快な気分だった。

 

遂にワンルームマンションを買う決断をした。
無事に購入できれば、晴れて賃貸経営がスタートする。

 

そして、毎月安定的に家賃収入が入ってくる。
本業以外で、家賃収入が入ってくるんだ。

 

その時、ふと良介と営業ウーマンの会話を思い出した。

 

そういや良介の奴『元付・客付』とか言ってたな。
他にも、『相続の為に不動産購入か現金化』とか、難しそうなこと話してたな。

 

あれってどういう意味だろう?
せっかくだし聞いてみよう。

 

良介との会話内容

 

そういや、元付・客付って何?
専門用語使われて、話についていけなかったよ。

 

 

元付は、売主から直接売却依頼を受けている不動産会社のこと。
一方、客付は元付業者から依頼を受けるなどして買い手を探している不動産会社のこと。

一般的に、提案してくる業者が元付である方がありがたい。
その理由ってわかる?

 

 

うーん、売主と直接繋がっている立場だと売買をコントロールしやすいと思う。
買い手候補が何人いるか、売主と色々と調整など、売買をスムーズに進めやすいとか?

 

 

正解!
間に入る不動産会社は、少ない方が良い。

それに、元付業者が直接見つけた買い手と、客付業者が連れてきた買い手だと、元付業者が連れてきた買い手が優先されやすい。

 

 

え!?なんで?

 

 

元付業者が、買い手を見つけてくると、売主と買主の両方からそれぞれ売買価格の約3%の手数料を受け取れる。これを両手と言って、売買価格の約6%の手数料が入る。

一方、買い手を客付業者が見つけると、元付業者は売主からの手数料約3%しか入らない。

 

※元付と客付けの違いの図

 

なるほど。
元付業者なら、できるだけ両手での成約を狙うだろうな。
買い手と売り手の両方から手数料得たいだろうからな。

 

 

そういうこと。

もし、あの不動産会社が客付だったら、他の業者に奪われてしまわないか心配すべきだった。
ただ元付業者と分かったので、このまま順調に買えるだろう。

 

 

そのために、わざわざ元付か客付かを聞いたのか。

さすが不動明王!
慣れてるね!

 

 

いやいや、このくらいすぐできる様になるって。

 

 

あと、相続のために購入とか現金化とか言ってたけど、あの意味は?

 

 

資産を相続するとき、現金で持っているより不動産で持っている方が相続税を減らせるんだ。

例えば、1億円の現金だと1億円×税金の掛け目となる。

だが、1億円の不動産を持っていると、資産価値は6000万円とかに減らせる。
市場では1億円で売買されていても、役所が決める各不動産の評価価額は低くなることが多い。

低く評価された評価価額に税金の掛け目をかけて相続税を計算するんだ。

 

※像続税の掛け目の比較

 

なるほど。
現金で持って相続対象となるより、不動産で相続した方が相続税が減るのか!

 

 

そういうこと!

ただ、今回の売主は不動産を現金化しようとしていた。
相続対策とは逆の様だが、なぜか分かる?

 

 

俺に分かるわけがない。

 

 

売主は、資産が不動産ばかりで、相続税を収める現金が無さすぎるんだ。

そのため、資産の大部分は不動産として残しておくにせよ、一部は相続税の支払いのために現金にしておきたいってこと。

 

 

な、なるほどー!
お前は営業ウーマンとそんな会話していたのか!?
もはや、素人じゃなくてプロ級だな!

 

 

当たり前だろ!
6部屋もワンルームマンションを持ってるんだぜ!
不動産は、これまで色々経験してきたからな。

 

 

お前が友人で良かったよ。
今回も、お前の後押しが無ければビビッて逃げていたわ。

 

 

あとは確実に審査通るようにな。
審査に必要な書類は、早めに金融機関に提出しろよ。

 

 

あぁ、今日はありがとう。

 

 

良介とは、JR有楽町駅でバイバイした。
休日にわざわざアドバイスのために会いに来てくれた。
ほんと良い奴だ。

 

門前仲町のワンルームマンションは、相場よりも安い家賃だなんて俺には全く気付かなかった。良介が見たから気付いたことだ。

 

不動産会社に物件の詳細を確認してくれたのも良介だ。
元付・客付の確認や、売主の売却理由の把握など、良介だから色々聞けた。
俺なら、何を聞くべきかも分からなかった。

 

そして、良介は最後に俺の背中を押してくれた。
1400万円にビビっている俺の背中を押してくれた。

 

営業ウーマンには、買う意思を示した
買付証明も提出した。

 

後は淡々と進めていくのみ。
早めに仮審査の書類を提出しよう。

 

今日は色々あって忙しい一日だった。
だが、忘れない日になりそうだ。
1戸目のワンルームマンションを買う決断をした日だ。

 

それにしても、良介のプロ顔負けの投資家だった。

 

俺と同じサラリーマンなのに、もはやプロの不動産投資家だ。
6部屋のワンルームマンションのオーナーともなると、あれほど不動産に詳しいのか。

 

俺があのレベルに行くのはいったいいつになるだろう。
だが、俺も良介と同じか、それ以上の家賃収入を目指している。

 

そのためには、まずは門前仲町のワンルームマンションを買わないと!

 

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