不動産投資家ストーリー

良いなと思った投資用マンションは、実はダメ物件だった!?

アラフォー独身女性の不動産投資 第4話

セミナーで提案された日暮里の中古ワンルームマンション。
完全に買おうという気持ちになっていた。

 

だが、先輩大家の教子さんに相談したとき、教子さんの質問に答えられなかった。
キャッシュフローや相場など、自分で調べていなかったからだ。

 

私は、冷静に考えることができてなかった。
きちんと自分の頭で考えてなかった。

 

教子さんとの電話で冷静になれた。
改めてキャッシュフローや相場などを調べてみよう。

 

まずは、相場を調べてみよう。

 

日暮里から徒歩10分の築30年。
バストイレ一緒の17m2

 

いくつかのサイトで調べてみよう。
楽待、健美家、アットホームなどで検索すると…。

 

出てくる出てくる。
たくさんのワンルームマンションが出てくる。

 

今まで知らなかったけど、中古ワンルームマンションってこんなにたくさん売られているんだ。

 

けど、ほとんど投資用でしょ?
みなどれだけ資産運用に必死なのかしら!(私もだが)

 

利回りは5~6%くらいが多そうだな。
確かに、営業マンの言っていた通りか。

 

ただ、価格は1500万円以上が多い。
そういった点では、1150万円の物件は『小さい金額』には当てはまるのか。

 

家賃はどうだろうか?
これも、検索で調べてみよう。

 

提案書では家賃5.3万円との設定だ。
で、実際に調べると・・・まぁ相場通りだ。

 

あと、実際に調べて分かったことがある。
提案された物件は、このあたりの最低や家賃帯なんだな。

 

この周辺では、これ以下の家賃で住めるワンルームマンションが無い。
どうしても『上野~赤羽』沿線に住みたい人は、家賃5.3万円の部屋にしなければならない。そう考えると、ニーズは有りそうだな。

 

家賃も利回りも相場通りだ。
私なりに調べたが、問題は無さそうだ。

 

次は、キャッシュフローを調べてみよう。

 

キャッシュフローは、
家賃ーローン返済額ー経費
となる。
これは、不動産投資の本を読んで学んだ。

 

まず、家賃はさっき調べたわ。
家賃は月額5.3万円。

 

次は、ローン返済額ね。

 

あの営業マン、ローンの条件は言ってなかったわ。
けど、セミナーの講師が話していたわ。
中古ワンルームマンションの場合、融資額は販売価格の90~100%、期間30年、金利2~3%。

 

仮に、
・融資額を販売価格の約90%の1000万円
・期間35年
・金利2%
とすると、ローン返済額は月額3.3万円ね。

 

最期は経費ね。
ただ、経費と言っても、たくさんあるわ。

 

管理費、修繕積立金は月額0.6万円ね。
これは、販売図面に書いてあるわ。

 

固定資産税は、1年で4万円か。
月に換算すると、月3千円となるわ。

 

経費は、総額で月0.8万円で見とけばいいわね。

 

よし、キャッシュフロー計算の材料は揃った。
どれどれ、実際のキャッシュフローはどうなるかな。

 

家賃は5.3万円
ローン返済額3.3万円
経費0.8万円

 

キャッシュフロー、月1.2円。
年間では14万円くらいか。
最初のワンルームマンション投資にしては上出来だ。

 

少なくとも数字はほぼ分かった。
次は、実際に物件を見に行こう。

 


 

私は東京馬生まれの東京育ち。
だが、日暮里駅で降りるのは人生初めてだ。

 

日暮里駅は、東京駅や上野駅からすぐ近い。
池袋からも山手線で10分くらいだ。

 

駅前は、夜遅いのに人が多い。
仕事帰りのサラリーマンであふれている。

 

駅前には、飲食店などが立ち並んでいて活気がある。
立派なマンションもたくさん目に入ってくる。

 

この立地なら、栄えていても当然だわ。
通勤にとても便利だものね。

 

ただ、物件は駅の西側。
少し古い町並みが広がっている。

 

物件に向かうにつれ、道はどんどん狭くなる。
人通りも電気も少ない。

 

駅からの道は、狭くて暗い箇所があった。
女性はもちろん、男性でもあの道は通りにくいだろう。

 

地図を頼りに物件に到着。
時計を見ると、駅を出てから13分。

 

そういや、途中に少し坂もあったな。
徒歩10分との記載だが、坂のせいで13分くらいかかったのか。

 

マンション自体は、築30年にふさわしいマンションだ。
だが、壁の汚れや柱のサビがひどく、古さを感じさせる。

 

部屋の中は見ることはできない。
だが、オートロックは無かったので共有部の廊下などを見て回った。

 

共有部に足を踏み入れて、私は驚いた。

 

廊下には、所々にゴミが落ちている。
建物の隅には、蜘蛛が巣を作っている。
敷地内は、背の高い雑草が立ち込めている。

 

このマンション、全く管理が行われてない。
入居者は管理費を払っているはずなのに、
維持管理が全く行われてない。

 

これだと、入居者もすぐに退去するのでは?
私だったら、同じ家賃5.3万円で、もう少し管理が良いマンションに引っ越すわ。

 

残念な気持ちでいっぱいのまま、マンションを後にした。
もはや、このワンルームマンションを買う気は無くなっていた。

 

セミナーでこのワンルームマンションを提案された時、私はちょうど理想的だと思った。
私の方針の『都心』『金額が小さめ』に合致している。

 

営業マンから説明されるうちに、どんどん気持ちが高まっていった。
条件はどれもこれも、私の希望を満たしていた。
これ以上に良いワンルームマンションは、無いように思えてきた。

 

その場で買付証明を出すことを求められたが、反射的にいったん保留した。
だが、気持ちの中ではすでに買う気でいた。

 

喫茶店で資料を見ていても、気持ちは止まらない。
提案されたばかりの物件なのに、どんどん好きになっていった。

 

もはや、いつ買付証明を出してもおかしくなかった。
どうしてもあのマンションが欲しくなってしまっていた。

 

そんな時、ふと私は教子さんに電話した。
運命の物件を見つけたと報告したかった。

 

だが、教子さんはさすがだった。
ベテランの視点で、私に次々と質問してきた。

 

家賃や物件価格の相場は、自分で調べたのか?
具体的なキャッシュフローはいくらなのか?
物件は現地に見に行ったのか?

 

私は、どれも答えることはできなかった。

 

事前にキャッシュフローの計算などは勉強したのに、全く生かしてなかった。
すぐ見に行ける距離なのに、見に行ってなかった。

 

1,000万円を超える買い物なのに、
負分では、何も調べずに買う気になっていた。

 

確かあの時、教子さんは電話の向こうで笑っていた。
まるで、私が浮かれて電話してくることが分かっていたかのように。

 

その理由も、いま分かった気がする。

 

不動産投資の初心者なら誰もが通る道なのだろう。
良く調べもせずに、物件を買いたくなって舞い上がるのだろう。
多分、教子さんも同じようなことを経験したんだろう。

 

初心者の私は、提案されたばかりの物件を今にも買う気でいた。
教子さんとしては、予想通りの初心者的な行動・思考だったので、笑いをこらえられなかったんだろう。

 

だが、勢いで買ってしまわなくて良かった。
教子さんに電話して、冷静になってよかった。
自分で調べて、実際に見に行くことで、落ち着いて考えることができた。

 

教子さんに報告しよう。
あのワンルームマンションは見送ります、と伝えよう。

 

教子さんとの電話の内容

 

教子さん、さっき買おうしていた物件ですが、見送ります。

 

 

あら、なんで?
『都心』『金額が小さめ』で条件にピッタリじゃないの。

見送るなんて、もったいないかもよ?

 

 

あの電話の後、物件価格や家賃を調べました。
確かに、家賃や価格は相場通りでした。

家賃は、ホームズHomesやスーモSUUMOで調べました。
物件価格は、楽待や健美家で調べました。

たくさん物件があったので、比較しやすかったです。

 

 

きちんと調べたのね。
エラいじゃない!

ところで、キャッシュフローは計算した?

 

 

キャッシュフローは、月1.2万円ほどのプラスになりそうです。

利回りは悪くないですが、実際は頭金を多めに入れてキャッシュフローを増やすのが良さそうです。
まぁ、元本返済分があるので、資産は増えていくのでしょうけど。

 

 

きちんとキャッシュフローを計算したのね。
エライエライ!

確かに、都心の中古で利回り5.5%は悪くはないわ。
だけど、キャッシュフローを増やして安心経営するには、頭金が多いに越したことは無いわね。

 

 

あと、見送った決定的な理由は、物件調査が決め手となりました。

日暮里から徒歩10分と書いてましたが、坂があるし、狭くて暗い道もありました。
また、管理が全然ダメで、ゴミ、蜘蛛の巣、汚れなどひどかったです。

私が入居者だったら、すぐ退去すると思いました。

 

 

ちゃんと物件調査にも行ったんだね。
実際の状況を確認してきて、エライわ。

 

 

はい、実際の物件を見て、目が覚めました。
私、『物件買いたい病』だったんだなって。

せっかく教子さんがアドバイスくれていたのに、暴走するところでした。

 

 

いいのよ~。
不動産投資の初心者は、みんなそうなのよ。

異性関係だって、そうじゃない?
最初は『最高の人』と思ってても、後から『私はなんでこの人を好きになったんだろう』て思った経験ない?

 

 

昔、何度もありました。
すごくわかりやすい例えです!笑

 

 

私もまだ不動産投資の初心者だったこと、提案された一棟アパートを勢いで買ってしまったの。

提案された時は
『これ以上の物件などない』
『今買わなきゃ後悔する』
と思って、結局あまり調べないうちに買ってしまったわ。

その結果、需要状況が少ない地域だったため入居がなかなか決まらずよ。ホント、今でも苦労しているわ。

 

 

そうだったんですか!
まさか、教子さんも私と同じような経験されてたなんて。

 

 

ほんと、昔の自分を思い出してしまって、つい笑ってしまったの。
必死に考えている時に笑ったりして、ゴメンなさいね。

 

 

いえいえ、ほんとありがとうございます。
教子さんに電話しなかったら、買った後に後悔するところでした。

 

 

今回は見送るみたいだけど、まだ物件探しは続けるんでしょ?

 

 

もちろんです!
勉強もしますし、不動産のセミナーも行きまくります。
ここで止めたら、ただのサラリーウーマンのままですので!

 

 

頑張ってね!
応援してるわ!

また悩んだりしたら言ってちょうだいね。

 

 

ありがとうございます。

 

 

教子さんは、電話の向こうでとても上機嫌だった。

 

教子さんが、『一棟目のアパートは失敗した』と言っていた理由がほぼ分かった。

 

教子さんが不動産投資を志した時、今日の私みたいに営業マンに提案されたアパートに運命を感じて買ったのだ。あの慎重で大人びた教子さんでも、『買いたい病』にかかっていのだ。

 

だが、買った後に気が付いた。
入居がなかなか決まらない、と。
そもそも、賃貸需要が少ないんだ、と。

 

人生を逆転したくて始めた不動産投資。
だが、逆転どころか大きな足止めを食らってしまった。

 

教子さんは大いに悩んだはずだ。
人生真っ暗になったはずだ。

 

だが、教子さんは諦めなかった。
そこから、教子さんは挽回してきた。

 

もう一度、不動産投資の勉強をし直した。
本を読んで専門用語を勉強し直した。
セミナーにも参加しまくって、色々な提案をうけて知識と相場観を磨いた。

 

今度こそ失敗しないように。
慎重に慎重に。

 

そして、中古ワンルームマンションを買って一から経験を積み直した
その後、2棟目となる一棟アパートを購入するほどにまで、復活した。

 

こうやって、教子さんは年間家賃収入1000万円を達成したのだ。

 

だが、もし最初の物件で失敗していなければ、もっと早く家賃収入1000万円に達していたはずだ。セミリタイアも近づいていたに違いない。

 

不動産投資は金額が大きいため、失敗した場合のリカバリーは大変なのだ。
教子さんほどのベテランでも、リカバリーは大変なのだ。

 

教子さんは、自分の失敗を私も繰り返さないように指導してくれた。
『不動産買いたい病』で暴走した私に、上手くブレーキをかけてくれた。

 

もし私が失敗していたら、どうなっていたか。
特に、一棟マンションなので大きな物件で失敗してたらどうなってたか。

 

そう考えると、最初に買うべきの物件が『金額が小さい』であるべき理由も理解できる。

 

不動産投資の初心者は、最初の物件選びにはほぼ失敗する。
失敗と言わなくても、微妙な物件を選んでしまう。
もしかしたら、失敗したと認識して無い人もいそうだ。

 

どんなに頭が良くて、仕事が出来る人でも最適な選択などできない。。
なぜなら、『欲』という感情が脳を支配してしまうからだ。

 

だが、どうせ失敗するなら、規模の小さい物件で失敗すべきなのだ。
規模が小さい方が、傷も浅くて、すぐに戦線に復帰できる。

 

一度失敗した不動産投資家は、確実にレベルが上がっている。
自身の失敗を反省し、二度と同じ過ちを侵さないようになっている。

 

レベルが上がるのは、不動産投資の知識だけでない。
不動産投資についての心構えもだ。

 

失敗をして、それでも戻ってきた者は、以前より強くなる。
教子さんは、一度失敗をしたが、強くなってた典型例だろう。

 

だが、失敗をして、もう戻ってこれない人もいる。
それは、最初に1億円などの一棟マンションを買ってしまった人だ。

 

『物件買いたい病』になった初心者がつい微妙な一棟マンションを買った場合、後から失敗に気づいてももう遅い。空室、修繕、広告料3ヶ月分などに追い詰められ、毎月数十万円というお金が垂れ流しになってしまう。

 

当然、本業の収入でも到底補填できない。
ローン返済が滞ると銀行により強制的に売却され、数千万円もの負債が残る。

 

自己破産歴がつくと、もう融資は受けられない。
つまり、不動産投資の世界に戻ってこれない。
せっかく夢が、ホントの夢のまま終わってしまう。

 

そう考えると、最初に1億円などの一棟モノを買う事は自殺行為だ。
初心者は大なり小なり失敗するのだから、小さい物件を買うべきなのだ。
そして、知識と経験を積んでレベルアップしてから、一棟マンションを検討すべきなのだ。

 

教子さんには、全てが見えていた。

 

不動産投資の初心者の私が、どう思い、どう考え、どう行動するか。
そして、良く調べもせずに物件を買おうとすることまで、見通していた。

 

私は、教子さんに救われた。
教子さんには感謝しかない。

 

だが、このまま不動産投資を止めはしない。
今までの勉強で、不動産投資には大きな可能性を感じた。

 

また不動産投資セミナーに通おう。
色々提案を受けて、物件探しをしよう。
提案されて、調べて、悩んで、迷って、出会いを探そう。

 

そして、いつかは自分にぴったりの物件が現れるはず。
その物件を見つけるまで、私はセミナーで提案を受け続けよう。

 

目標の家賃収入1000万円のために!
そして、夢のセミリタイアのために!

 

<<戻る   第5話へ>>



-不動産投資家ストーリー

© 2020 サラリーマン卒業大作戦!