不動産投資家ストーリー

セミナーで提案された中古ワンルームマンションは良い物件?悪い物件?

不動産投資で人生大逆転 第6話

不動産投資のセミナー後、
俺は同期の伊藤と新宿の喫茶店で会った。
同期と言っても、家賃収入2500万円の大投資家だ。

 

俺は、伊藤にあった瞬間、
セミナーで感じた焦りをぶつけた。

 

俺は、セミナーに行くまで自信満々だった。
だが、セミナー後の個別相談会での自信は砕け散った。

 

5冊も不動産投資の本を読んだ。
利回りや返済比率などの専門用語も覚えた。

 

だが、個別相談会で物件の説明をされるうちに、頭が混乱し始めたんだ。

 

担当の若い営業マンが俺に提案したのは、都内のワンルームマンション。
都内のJR山手線沿いの築20年程度の物件だった。

 

俺は、営業マンの使う専門用語の意味はほぼ全て分かった。
利回り、返済委率、管理費など、本で勉強した単語がそのまま出てきた。

 

だが、利回りが6,2%だと言われたが、
なんと答えれば良いか分からなかった。

 

利回りの計算方法は分かってる。
だが、5.2%という利回りが高いのか低いのか分からない。
俺には、相場観が無かったのだ。

 

提案された物件の販売図面を伊藤に見せた。
そして、伊藤はまじまじと図面を覗き込む。

 

伊藤との会話内容

 

 

今日提案されたんだ。
都内の中古ワンルームマンション。

これってどう思う?

 

伊藤先生は、どんな考え方をするのだろうか?

 

 

これ提案されたの?
まぁまぁ良い物件に見えるね。

 

伊藤は、見た瞬間『まぁまぁ良い物件』と評価した。
俺は、何分見てても、どれだけ説明されても、良い条件かどうか分からなかったのに。

 

 

伊藤先生、教えてくれ!
この物件が『まぁまぁ良い』って思ったポイントはどこなんだ?

 

伊藤は、俺の必死さを見て驚いている。
だが、ゆっくりと話し始めた。

 

 

 

まず、俺は投資用不動産を判断するときは、
立地・利回り・担保力
の3つを総合評価している。

この物件、立地は素晴らしい。
JR山手線沿いなら、駅から15分でも大丈夫だ。
山手線に限らず郊外のターミナル駅から15分も同じだ。

しかも、このマンションの最寄り駅の日暮里の駅前はとてもキレイだ。
生活しやすい環境が整っている。

実際、その周辺のマンションなんて、ほぼ埋まっているだろうし。

 

 

 

山手線沿いという立地は、やっぱ最高なんだな。

 

 

 

次に利回りだが、中古ワンルームマンションで表面利回り5.2%というのは悪くはない。

これは俺の感覚だけど、
・新築⇒利回り4%前後、
・築3~25年⇒利回り4~6%、
・築25年以上⇒利回り5~7%
が相場だと思う。

幅があるのは立地などの条件で異なるからだ。

この物件は、山手線沿いの築20年で5.2%であるから、平均かやや良い方だと思う。

 

 

 

そ、そうなのか!
営業マンが必死に提案してきてたので、よほどの売れ残りかと思ってた。
結構良い物件だったんだな。

 

 

 

不動産の営業マンなんて、常に必死さ。
必死じゃない営業マンなんて、見たことない。

俺は必死な営業マンなんて見飽きたけど、伊藤には必死すぎる様に見えたんだろうな。

 

 

 

若い男女の営業マンが必死に営業してきていたなぁ。
けど、しつこい営業ではなく、好感は持てたかな。

 

 

 

最期に担保力だが、
担保力とは、銀行の評価のことだ。

銀行は、積算評価か収益還元法で物件価値を評価するが、投資用マンションに貸す金融機関は収益還元が多いかな。

この物件は、周辺相場よりも利回りは高いから、良い評価されると思うよ。

 

 

 

そうやって、良い物件かどうかを判断するのか?
俺は、さっぱり分からなかったわ。

 

 

 

そのほかにも、入居期間、管理費、修繕積立金など、合計で10~20くらいはチェックが必要かな。

てか、今日セミナーに行って、正解だったな。
知識だけじゃ、不動産投資は危険って実感できたでしょ?

 

 

 

あぁ、セミナーに参加して良かったよ。
たまたま提案された物件が良かったし。

もし、とても悪条件の物件だったらと思うとゾッとするけどね。

何も分からずに、マンションを高値で買ってしまう人っているだろうな。

 

 

 

あぁ、投資用マンションを相場より数百万円も高く買ってしまう人は実際多いよ。

例えば、東京駅や新宿駅付近で、名刺交換求められる時あるだろ?
名刺交換なんてして『話だけ』『お金の話』などと喫茶店で会うことになったら、延々と投資用マンンションの営業をされるよ。しかも、かなりの高値でね。

 

 

 

そうなんだ。
もし、知識も相場観も無かったら、ついつい買ってしまいそうだな。

誘い文句は、
『老後のための資産』
『セミリタイア!』
『会社以外の収入』
とか、サラリーマンが食いつきそうな言葉だし。

けど、今日はセミナー後に伊藤に会って良かった。
すっきりしたよ!

 

 

 

田中は、今日初めて具体的な物件を提案されたんだな。
そして、販売図面を初めて見たんだな

どう?
不動産投資は怖くなった?
もう不動産投資なんて、止めておくかい?

 

 

 

いや、止めないよ。
会社以外での収入を得たいし、いつかはセミリタイアしたいとも思っている。
そのためには、不動産投資が最も確実に見える。

けど、失敗しないような努力も大事だと、改めて思った。
伊藤の言っていた様に、知識と経験値はホント重要なんだな。

 

 

 

そう、不動産投資は知識と経験値が大事だ。

どれかが書けていたら、中途半端な物件を買ってしまって、利益も出なければ売却もできなくなる。

しっかりと知識・相場観、経験値を身につけると、その後は一棟アパートや一棟マンションを買って、一気にセミリタイアに近づけるんだ。

 

 

 

もう一度、大事なことを言うよ!

本を読んで、知識を高める。
セミナーに参加して、相場観を養う。
中古ワンルームマンションを買って、経験値を高める。

大きく勝負に出るのは、その後からで十分だ!

 

 

 

分かった!
じゃあ、これからも本での勉強とセミナーに参加で、知識と相場観を高めるわ!

伊藤、ありがとう。
わざわざ新宿まで来てくれてありがとうな。

 

 

次の週末、
伊藤のアドバイス通りに他の不動産投資のセミナーに参加した。

 

前回の不動産投資セミナーから一週間経った。
その間、しっかり勉強もした。
知識は確実に高まっているはず。

 

次のセミナーは、平日夜に銀座で行われる。
俺もいつかは、銀座とかに不動産を買いたいものだ。

 

この日の不動産投資セミナーの構成は、講義1時間と個別相談会30分の予定だ。

 

講義の内容は、ワンルームマンション投資の基本だ。

 

家賃収入から、ローン返済と管理費・修繕積立金を支払った残りが手元に残る。
そして、ローンを支払ったら不動産は資産となる。

 

言っていることは、十分理解できる。
だが、このセミナーでは立地の重要性を強調していた。

 

今後、日本の人口は減る一方だ。
だが、東京など一部の都市は人口は増え続けている。
長期の運営が必要な不動産投資は、その都内でも最高に良い場所に買うべき、と言っていた。

東京の人口増加の推移

(引用:東京都HPよりの人口増加の推移)

 

なるほど。
確かに、一理ある。

 

立地が良いほど、人は集まりやすい。
それは空室とは無縁であることを意味する。

 

やはり、立地は重要だろう。
しかも、大都市であればあるほどいいはずだ。

 

俺もいつかは良い場所にマンションを買いたい。
頭の中は、『立地』で一色になっていた。

 

そして講義後、
30分の個別相談会が始まった。

 

今回は、40歳前後の男性営業マンが担当となった。
前回の若くて勢いのある営業マンと違って、静かで真面目な雰囲気だ。
むしろ、営業マンの割にはスーツは安物ぽいし、ひげの剃り残しもある。

 

よくよく考えると、冴えないオッサンだ。
まぁ、相手からみたら俺も冴えないオッサンかもしれないが。

 

だが、営業マンの風貌などどうでもいい。
俺は中古ワンルームマンションを買いたいのだ。
物件さえ良ければ、営業マンの風貌などどうでもいい。

 

さて、今日はどんな物件を提案されるのか?
もう2回目なので、少しは良い物件かどうか判断できるはずだ。

 

さて、どんな物件が出てくるかな。
ワクワク。ドキドキ。

 

さえないオッサン営業マンは1枚の販売図面を目の前に差し出した。

 

俺は、その販売図面を見た瞬間、飛び上がってしまった。

 

そのワンルームマンションの立地は、
東京都港区の物件だったのだ!

 

み、み、港区だと!?
東京23区で最高の区じゃないか!

 

これは、すごい!
この中古ワンルームマンション、都内最高最強立地だ。

 

冴えないオッサン営業マンは俺を見ながら、一言つぶやいた。

 

さえない営業マン
この物件を買えば、
あなたは港区マンションのオーナーになれます。

 

港区マンションのオーナー!?

 

その言葉を聞いて、心拍数がドンドン上がっていった。
販売図面を持つ手が震え、鼻息も荒くなっていった。

 

やばい!
興奮して倒れそうだ!

 

いつかは、良い立地の場所に不動産を持ちたいと思っていた。
だが、それはいつかお金持ちになってからしか叶わない夢だと思っていた。

 

だが、いま俺の目の前には、東京都港区のマンションの販売図面がある。
日々『立地が大事』と考え続けていて、港区という立地に興奮しないはずがない。

 

だが、販売図面を見ていると、ある点が気になった。
表面利回りが3.6%。

 

低い。
利回り3.6%は低すぎる。

 

師匠の伊藤は、『都内築20年の中古ワンルームマンションの利回りは5~7%ほど』と言っていた。だが、築年数20年で利回り3.6%は、明らかに低い。

 

あぁ、悩ましい。
買おうか。
止めておこうか。

 

もう一度、師匠の伊藤に聞いてみよう
俺は、すぐさま伊藤に電話した。

 

伊藤との会話内容

 

 

今日の個別相談会で、ある中古ワンルームマンションを提案された。
なんと、東京都港区のマンションを提案されたんだ。

これ買ったら、なんと港区マンションのオーナーだよ!
いきなり誰もがうらやむ東京港区だよ!

 

俺は、興奮していた。

 

今日、東京都港区のマンションを提案されて、気持ちが大きくなった。
これ以上ない、最高の立地だ。

 

俺は伊藤に対して興奮を隠しきれなかった。
港区マンションのオーナーになることを想像し、うれしくなっていた。

 

その時、伊藤は俺の言葉をさえぎって質問した。

 

 

 

そうか、気になる物件が見つかったんだな。

収支計算もしたのかい?

 

 

 

いや、まだ収支計算はこれからだ。

 

 

 

ちなみに、物件価格はいくらで利回りは?

 

 

 

価格は3,000万円で利回りは3.6%。

 

 

 

利回り3.6%!?
低すぎだろ!

3,000万円で利回り3.6%だと家賃は、年108万円・月9万円。

借入を3,000万円・2.5%・35年ローンだと、毎月返済は10.7万円。
管理費・修繕積立金は、月2万円くらいだろう。

買うと、毎月3.7万円の赤字になるぞ!?

 

 

 

えっ?うそ?
そこまで考えてなかった。

けど、港区のマンションオーナーになれるんだよ。
不動産投資やってる伊藤なら、わかるだろ?

 

この時、電話口の向こうから大きなため息が聞こえた。
そして、伊藤はゆっくりとした口調で話し始めた。

 

 

 

田中よ、お前はいったいなんのために不動産投資をするんだ?

港区のマンションオーナーになるためか?
それとも、セミリタイヤするためか?

 

 

 

あ…。

 

 

 

気付いた?

田中が不動産投資をやろうと思った理由って何?
港区のワンルームマンションオーナーになることじゃないはずだよ。

セミリタイアを目指すんじゃなかったのか?

 

 

 

た、確かに。

 

 

 

港区のマンションオーナーが目的になったとしても、田中の人生だし別に俺は止めないよ。

けど、毎月4万円近くも支出となる物件なんて買ったら、それ以上前には進めないよ?

 

 

 

た、確かに。
毎月4万円もの支出は辛い。

 

 

 

あと、もう物件は見に行ったのか?

 

 

 

いや、まだ見に行ってない。
けど、港区だから見に行こうと思ったらすぐ見に行けるよ。

 

 

 

興味あってすぐ見に行ける距離なのに、まだ見てないなんて。
俺からしたら考えられない。

セミナーは銀座であったんだろ?
港区なんて電車で10分じゃん。
興味あるなら、外観や周辺の環境だけでもすぐ見に行くのが鉄則だよ。

 

 

 

な、なるほど。
俺が甘かったよ。

 

 

 

まぁでも仕方ないよ。
誰でもあることだ。

けど、心に強く持っていて欲しいことがある。

 

 

 

な、何でしょうか?

 

 

 

『不動産投資でセミリタイアを目指す』という軸をブレないで欲しい。
そのために、余計な回り道はするべきではない。

不動産投資で稼げるようになれば、港区のマンションなんて後からたくさん買えるから!

 

 

 

分かった。
伊藤のおかげで目が覚めたよ!

目標はセミリタイアだと強く意識して物件を選ぶようにするよ!
港区のマンションオーナーは、今回は諦めるよ!

 

 

 

あぁ、今度はちゃんと利益の出る物件を選べよ!

 

 

こうして、伊藤に相談したあと、
俺は港区の中古ワンルームマンションを諦めた。

 

俺の目的は、会社を辞めても大丈夫なくらい稼ぐこと。
十分な収入を得てセミリタイアすること。

 

利回りは3.6%のマンションなんて買ったら完全に赤字だ。
港区のマンションオーナーは、いったんお預けにしよう。

 


 

それからも、セミナーや個別相談会の後には、伊藤に電話するようにした。

 

伊藤との会話内容

 

 

今日のセミナーで知り合った同世代の奴が、提案されたワンルームマンションを買う気らしい。ただ、ぶっちゃけ利回りは微妙だ。

先を越されるのがイヤだし、俺も一緒に同じマンション買おうと思う。

 

 

 

田中がワンルームマンションを買う理由って、同世代の奴と一緒に仲良く買うことが目的なの?

不動産投資でセミリタイアするために、儲かるマンションを買う事が目的じゃなかったっけ?

 

 

 

あ、確かに…。
利回りは微妙だし、諦めるよ…。

今度こそ、良い物件を選ぶよ!

 

 


 

一週間後…。

 

伊藤との会話内容

 

 

伊藤、聞いてくれ。

今日のセミナーで知り合った営業マンが、成績不振でクビ直前らしいんだ。
奥さんが妊娠中らしく、今会社をクビになったら大変らしい。

あの営業マンのためにも、ワンルームマンション買おうと思うんだが…。

 

 

 

田中がワンルームマンションを買う理由って、知り合ったばかりの営業マンを助けるためだっけ?

不動産投資でセミリタイアする事が目的じゃなかったっけ?

 

 

 

あ、確かに…。
立地は微妙だし、今回も諦めるよ…。

伊藤、ありがとう!
今度こそ、良い物件を選ぶよ!

 

 


 

さらに、一週間後…。

 

伊藤との会話内容

 

 

伊藤、聞いてくれ。

今日の個別相談会の担当者が、めちゃくちゃ美人だったんだ。
色々丁寧に説明してくれたし、言葉の一言一言に説得力があるんだ。

それに、買った後も色々相談乗ってくれるらしい。
今回こそマンション買おうと思うんだが…。

 

 

 

田中がワンルームマンションを這う理由って、美人さんが詳しい説明をしてくれたから?
不動産投資でセミリタイアするために買うんじゃなかったっけ?

そもそも、買った後に相談なんて乗ってくれると思う?

 

 

 

あ、確かに…。
買った後なんて、放置プレイだろうな。諦めるよ…。

伊藤、ありがとう!
今度こそ、良い物件を選ぶよ!

 

 


 

さらにさらに、一週間後…。

 

今日も不動産投資のセミナーだ。
セミナー後には個別相談会も付いている。

 

今日こそは、良いワンルームマンションに出会えるかな。

 

セミナー自体は30分で終わり、個別相談会が始まった。
参加者1人に1人の営業マンが迎えに来て、近くのカフェで話すらしい。

 

席で待っていると、名前を呼ばれた。
ふと見ると、ひ弱そうな若手の営業マンが立っていた。

 

髪はボサボサ。
スーツはヨレヨレで、肘の部分がすり減っている。
年齢は、20代半ばくらいか。
名前は、Mさんと言う。

 

なんかパッとしない人だな。
この人で大丈夫かな。

 

だが、今日もせっかく個別相談会に来たんだ。
どんな物件を提案をされるか聞いてみよう。

 

コーヒーを注文すると、さっそく提案が始まった。

 

さて、どんな提案をしてくるのか。
しかし、このMさんは頼りなさそうだし、あんまり期待できないかもしれないな。

 

Mさんは、俺の年収や資産状況、不動産投資の方針を丁寧に聞いてきた。
しっかりメモを取っていて、とても真面目な印象だ。

 

そして、一通りヒアリングされた後、一枚の販売図面を俺の目の前に置いた。

 

中古ワンルームマンションの条件

・東京都江東区
・ワンルームマンション
・販売価格 750万円
・表面利回り 約8%
・家賃 年60万円・月5万円
・管理費・修繕費 年10万円・月0.8万円
・地下鉄東西線 西葛西駅 徒歩7分
・築約30年
・専有面積23m2
バス・トイレ別

 

ほう、ちょうど良さそうな物件だ。

 

俺が販売図面を凝視していると、Mさんが説明を始めた。
俺は、物件を見ながら説明を聞いていた。

 

東西線は、日本橋や大手町を通るから、独身・既婚問わずサラリーマンに人気の地域。

 

最寄り駅の西葛西駅は、大手町駅から約20分。とても便利な場所だ。

 

駅周辺も色々な店がある様で、生活に困らない。
道もキレイに整備されており、危険な場所などない。

 

物件から最寄駅まで徒歩7分。
総合的に、かなり良い物件に思える。
これで利回り8%って、かなり良いのでは!?

 

不動産投資を始めるにあたって、最初は小さい規模の物件が好ましい。
まずは、手ごろな中古ワンルームマンションで始めてみて、経験を積むためだ。

 

その点では、750万円というのは価格的にも理想的だ。
融資額も少なくなるので、不動産投資の初心者にとって安心だ。

 

また、どうせ買うなら立地や利回りは良い方が良い。
例え数年で売るとしても、良い条件で買った方が売った時の利益は大きい。

 

その点、東西線で大手町や日本橋から数駅で、駅から徒歩7分は魅力的な立地だ。
また、利回り8%も他の中古ワンルームマンションと比べて高い方だ。

 

俺は一通り説明を受けた後、営業マンのMさんには『検討する』と伝えてカフェを出た。

 

うーん。
良い物件だな。

 

今まで何件か提案されたが、これは良い条件だ。
俺の購入候補になるだろう。

 

師匠の伊藤に、良い物件かどうかの判断を聞いてみようか。
まぁ、いつものようにダメ出しされるかもだけけど。

 

あ、そうだ!
伊藤に電話する前に、先に物件を見に行ってみよう。
伊藤は『良い物件があれば、まず身に行け』って言ってたし。

 

ここからこのワンルームマンションまでは、電車と徒歩で30分で着く。
時間もあるし、現地調査してみよう。

 

マンションの最寄り駅の西葛西の駅前は、とても賑やかだった。
休日だというのに人が多く、多くの店が営業している。
このワンルームマンションに住む人にとって、とても住みやすいだろう。

 

物件までは、駅からちょうど徒歩7分。
坂道、狭い道、暗い道なども無い。
周辺も、店やマンションが立ち並び、いたって平凡な街並みだ。

 

全く問題なさそうだ。
むしろ、独身なら俺が住んでも良いくらいだ。

 

そろそろ伊藤先生に電話しようかな
いや、まだ収支計算をしていなかった。

・家賃5万円
・返済2.7万円
・管理費等0.8万円

毎月の手残りは約1.5万円、年間で18万円。

 

固定資産税は5万円。
総額では手残りは13万円か。

 

うーん、手残りは高くないが、経験を積むうえでは悪くないかな。
数年で売ろうとしても、立地や価格を見れば問題無く売れるだろう。

 

よし、現地も見に行って、収支の計算もした。
不動産投資の師匠である伊藤に、この物件を買うべきか聞いてみよう。

 

俺は、さっそく伊藤に電話した。
伊藤はどんな反応をするかな。

 

伊藤との会話内容

 

 

今日も個別相談会に行ってきたんだ。
で、伊藤に判断して欲しいワンルームマンションがあるんだ。

 

 

 

あぁ、わかった。
で、今回は”どんな理由”で買わされようとしているんだい?

 

 

 

いやいや、買わされそうって(笑)
今回は、ちゃんと良い物件だと思ったからだよ。

・地下鉄東西線 西葛西駅 徒歩7分。
・築約30年のワンルームワンルーム。
・価格750万円で家賃月5万円。
・利回りは、なんと8%!

 

 

 

え・・・。
田中、お前・・・。

 

 

 

えぇ、どうした!?
この物件ダメかなぁ・・・?

 

 

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