不動産投資家ストーリー

出世が遅れて上司にも嫌われている!俺の会社人生は終わった!

不動産投資で人生大逆転 第1話

俺の名は田中
都内でサラリーマンをしている。

 

家族は、2人の息子
昨年、次男の誕生と共にマンションを購入した。
平凡ながらも、幸せな家庭を築いていた。

 

俺は都内の有名私立大学を卒業後、電器メーカーに就職した。
誰もが知っている、大手の家電製品を作っている会社だ。

 

入社以来、店舗営業、研究開発、システム系など様々な部署を経験した。
毎日忙しかったが、ひたすら目の前の業務をこなしていた。

 

ことの始まりは、30代半ばの頃だった。

 

その頃、世間は2006年の小泉景気の真っただ中だった。
日経平均株価は17,000円を超え、日本全体が好景気に沸いていた。

 

景気が良くなったタイミングで、同僚がポツポツ辞めて行った。

 

辞めた同僚は、
『他にやりたいことができた』
『給料がもっと良い会社に転職する』
などと言っていた。

 

俺の勤めるメーカーは景気が良くなっても、あまり恩恵は受けない。
景気が良いからとって、家電がたくさん売れることなどほぼ無い。

 

対して、他の業界は景気の影響を大きく受けている。
金融、不動産、建築業界などは、株価上昇と共にボーナスも倍増らしい。
年功序列で景気変動の乏しい家電メーカーを、離れたくなるのも仕方ない。

 

それに、同じ会社で10年も働いていたら、自らの会社での立ち位置が何となく分かってくる。

 

このまま順調に『出世』していくか。
それとも『その他大勢』となるか。

 

俺の会社は古くからある会社だ。
他の大手企業同様、40代50代の社員がたくさんいてポストに空きが無いのだ。
これ以上会社にいても、出世も給料アップは望めない。

 

出世コースを外れたり評価があまり高くない人も、好景気のタイミングで、会社を離れていった。

 

事情はどうであれ、転職する同期の行動に俺も理解はしていた。

 

一方、俺は仕事そのものが楽しかった。
それに、順調に出世できていた。
真面目で丁寧な性格がメーカーでは受けが良く、順調に昇格できていた。

 

それに、俺は既に家庭を持っていた。
次男が生まれたばかりで、転職はリスクが高すぎる。
住宅ローンもあと30年以上残っている。

 

一時は転職を考えたこともあったが、会社に居残ることに決めた。
このまま順調に昇格していきたい、と期待していた。

 

だが、その後のリーマンショックで、状況は大きく変わった。
株価は大きく値を下げ、好景気は終わりを迎えた。

 

好景気の恩恵を受けていた企業は、その反動で赤字を計上した。
一方、私の勤めるメーカーは、不景気の影響は最小限に留まった。

 

だが、会社の状況は変わっていった。

 

定年退職が近い人を、積極的に新設部署に異動させていった。
40代50代の人を、各部から2人ずつを新設部署に異動させたのだ。

その名は、『営業サポート推進センター』

 

営業サポート推進という名は前向きであるものの、仕事はほとんど無い。
パソコンも与えられず、毎日デスクで何もせずに過ごす日々。

 

明らかに、自主退職を促す部署だった。
世間で言うリストラ部屋だったのだ。

 

昔はすごく優秀な営業マンや開発チームを任されていた人も、軒並み営業サポート推進センターに異動していった。だが、活躍する場はその部署には無い

 

毎日定時に会社に来て、定時に帰るのみ。
パソコンも無いため、会社の情報は入ってこない。

 

久しぶりに会った優秀な先輩達は、目が死んでいた。
以前は放っていたオーラや覇気は、全く感じられなかった。

 

やりがいが無く、ストレスだという。
存在を否定されている様で、鬱寸前だと言う。

 

先輩A
『田中、お前はしっかり出世しろよ』

 

先輩B
『田中、俺みたいになるなよ』

 

先輩達は、最期の言葉の様に俺に伝えてきた。
そんな先輩の姿を見ると、俺は何も言葉を返せなかった。

 

当時の俺はまだ30代半ばだった。
したがって。リストラ部屋へ行く対象にはならなかった。

 

だが、会社という組織の本性を見た。

 


 

201×年。
俺が38歳の頃

 

当時、俺の所属していた部門は、会社内で赤字を出し続けていた。

 

会社の中では、重要な部門とされている。
だが、部門の赤字ボーナス人事考課に響く。
個々人のパフォーマンスより、部門の損益が人事考査に反映されてしまうのだ。

 

俺は、それまでは同期の中でも早いペースで昇格していた。
しかし、この部署に来てから、3年連続で人事考課が上がってない。

 

赤字1年目に、他の同期に並ばれた。
赤字2年目に、遂に同期に抜かされた。
赤字3年目には、後輩にも抜かされてしまった。

 

このままでは、俺の立場はどうなってしまうのだ!?
会社ではとても居づらくなってしまう。

 

もし、後輩が上司でもなったらどうしよう。
そうなれば、俺はその後輩に対して敬語を使わなければならない。
逆に、後輩からは上から目線で接せられるだろう。

 

そんなことになると、とても屈辱だ!
ストレスが溜まるどころの話ではない!
男としてのプライドがズタズタになる!

 

だが、まだ出世の遅れを取り戻すには時間がある。

 

俺は必死に頑張った。
毎日終電まで残業した。

 

もちろんサービス残業だ。
身体に無理して働き続けた。
しんどかったが、出世の遅れを取り戻せるなら問題ない。

 

部門全体の頑張りもあり、数年ぶりに黒字になった。
その年のボーナスや人事考課は、やっと一つ上がった。

 

なんとか暗闇が終わりを遂げた。
やっと、トンネルから抜け出せた。

 

だが、一度ついてしまった昇進の差は、
どうにもならなかった…。

 

出世遅れた男性不動産投資家

 

201▲年。
俺が39歳の頃。

 

ついに、恐れていたことが起こってしまった。
後輩Cが、所属する課の課長になったのだ。

 

後輩Cは、俺と仲が悪い。
昔一緒の部署だった時は、常に言い争いばかりしていた。
その後輩Cが、なんと上司になってしまった。

 

最悪だ。
これ以上ない最悪のパターンだ。

 

いつか後輩が上司になるかもと思ってた。
だが、よりによってあの後輩が上司になるなんて。

 

過去の因縁で、イヤがらせしてくるかもしれない。
俺が出世できないように、あらゆる手を使うかもしれない。

 

だが、あいつも成長して変わったはずだ。
昔の事など忘れて、部署のために働くはずだ。

 

後輩Cが課長として赴任した日、
俺は淡い期待を込めて上司となった後輩Cに挨拶した。

 

 

 

『C君…いや、C課長。よろしくお願いいたします。』

 

 

『田中さん、お久しぶりです。
今後とも、よろしくお願いいたしますね。』

 

後輩Cは、元気よく挨拶し返してきた。

 

だが、目は全く笑っていなかった。

 


 

後輩Cが上司になってから、地獄の日々が始まった。

 

今までは、課の業務方針を決めるとき、ある程度は俺の意見も反映されていた。
課長の次に年次が高かったので、経験を生かして業務の割り振りを行っていた。

 

だが、後輩Cが課長になってから、俺の意見は全く反映されなくなった。

 

合理的なことでも、俺の意見が却下となることが頻繁にあった。
そして、俺の意見とは反対の事が次々に決まっていった。

 

他の課員も、後輩Cの言う事はおかしいと感じていた。
だが、サラリーマン社会では上司の言うことは絶対だ。
上司への反論など、決して許されない。

 

みな、課長(後輩C)の指示に従うしかなかった。

 

そんな状況だったので、課の成果など到底上がらない。
年度途中時点で、俺の課の成績は部門では悪い方だった。

 

だが、課の成績低下は、俺個人の能力不足が原因だと報告されている様だった。
そのため、上期の私の人事評価は著しく低いものだった。
今後の出世に、著しく悪い影響が出る評価だった。

 

私の意見はほぼ反映されないのに、全て私が悪いことになっている。
だが、上司の言うことは、そのまま部長、役員、人事へと直送だ。
私の反論など、入る余地も無い。

 

当然、ボーナスも最低ランクとなった。
同期が100万円以上のボーナスを受け取っている中、私は半分にも満たなかった。

 

あぁ、文句を言いたい。
後輩Cに文句を言いたい。

 

いまのやり方では、下期も課の利益が悪いのは目に見えている。
そして、その責任を全て俺のせいにされるだろう。

 

だが、後輩Cが上司でいる限りどうしようもない。
下期も、俺の意見は聞いてはくれそうにない。

 

諦めたくない。
だが、諦めざるを得ない状況だった。

 


 

10月、気を取り直して仕事を開始した。
だがこの時、俺に神風が吹こうとしていた。

 

ある取引先会社との共同企画で、大きなプロジェクトを扱うこととなった。
しかも、その内容は他部署ではなく、俺の課にしかできないことだった。
さらに、俺は過去に、その企画に似た内容のプロジェクトを成功させていた。

 

当初、後輩課長Cは、その巨大プロジェクトを俺に任せようとはしなかった。
だが、課の他の人が消極的な態度であったため、後輩課長Cは渋々俺をプロジェクトリーダーに指名した。

 

チャンス到来!
このプロジェクトを絶対成功させてやる!

 

保守的な当社が、新しい分野に乗り出すなど非常に珍しい。
まさに、社運を賭けたプロジェクトだった。

 

プロジェクトリーダーに任命されてからというもの、俺は無我夢中で働いた。
朝から夜中まで、ずっとプロジェクトのことを考えていた。

 

朝は7時前には会社に来ていた。
夜は、終電までサービス残業していた。

 

土日も、家でずっと調べ物をしていた。
仕事のし過ぎで、体は疲れ切っていた。

 

だが、久しぶりに、夢中になれるものができて楽しかった。

 

最初は俺を煙たがっていた後輩C(課長)だったが、プロジェクトが進むにつれ俺を気遣うようになっていった。
会議でも、俺の意見が少しずつ取り入れられるようになっていった。

 

半年前は、腐りかけていた。
だが、新規プロジェクトが俺を蘇らせた。

 

こんなに仕事が楽しくなるなんて、もう何年振りだろうか。
新入社員の頃、家電量販店で必死に営業していた頃以来だ。

 

毎日忙しい日々を過ごしていた。
月日は、あっという間に過ぎて行った。

 

当課のプロジェクトの評判は、隣の部署にまで聞こえていた。
日が経つにつれ、色んな人が進行具合を聞いてきた。
会社の上層部に説明する機会も増えてきた。

 

俺は、プロジェクトリーダーとして色んな人に呼ばれていた。
当初は開発のみしていればよかったが、会議でも忙しくなってきた。

 

だが、他部署との会議は、当課の成果をアピールする良い機会だ。
会議でも手を抜かないように、いつも万端の準備をして臨んでいた。

 

出世遅れた男性不動産投資家

 

プロジェクト開始から5ヶ月後。
段々と、軌道に乗り始めてきた。

 

何度か壁に当たりながらも、何とか製品化の目途が立った。
あとは、性能試験さえクリアすれば、製品化され店頭に並ぶ。

 

そんな時だった。

 

ある日、課長である後輩課長Cに俺1人だけ会議室に呼ばれた。

 

2人で話し合いって何だろう?
プロジェクトに関する相談か?

 

会議室に入って、椅子に座った。
後輩Cは俺を見るなり、驚くことを口にした。

 

 

『田中さん。
悪いけど、プロジェクトリーダーを降りてもらうことにした。
今までご苦労さん。』

 

 

 

『え!?』

 

俺は、驚きで言葉が出なかった。

 

このプロジェクトは、俺が約半年かけて進めてきた。
上手く行って製品化の目途がついたのも、全て俺のおかげだ。

 

なぜ今になって、リーダーを外されるのだ!?
もうゴールは目の前だが、ここで外すか!?

 

課長(後輩C)との会話

 

 

C課長、なぜ私をリーダーから外すのですか!?
半年で製品化の目途が立って、順調なのになぜですか!?

 

 

田中さん。
課としての総合的判断で、課長の私が決めたのです。

 

 

 

では、プロジェクトリーダーは誰がするのですか!?

 

 

私が引き継ぐことに決めました。
社運をかけてのプロジェクトだから、失敗は許されないのでね。

 

 

 

そんな…。
今まで順調に来れたのは、私のおかげでは…。

私はプロジェクトのどの部分に関わればいいのですか?

 

 

田中さんは、プロジェクトから完全に外れていただいて大丈夫です。
明日からは、新入社員の木村君の指導をお願いします。

 

 

 

新入社員の指導!?
それ、私がすることですか?

 

 

もう決めたことです。
田中さんは、上司の決定に逆らうのですか?

 

 

 

…。

 

 

サラリーマンである以上、上司の決定は絶対だ。
例え理不尽な決定でも、上司には逆らえない。

 

会議室から出てきた俺は、課のみなにプロジェクトから外れたことを伝えた。
突然のことに、みな驚いていた。

 

『田中さんがいたから、このプロジェクトは上手く進んできた』
『田中さんじゃなかったら、半年での製品化など無理だった』

 

だが、いまさら何を言ってももう遅い。
みな会社員である以上、この決定が覆らないことは理解している。

 

この半年、俺はプロジェクトに全てを捧げてきた。
そして、半年で製品化の目途が付いた。

 

だが、その製品が世に出る前に、俺はプロジェクトから外れた。
いや、課長の独断によってプロジェクトリーダーを外されたのだ。

 

俺は、やっと芽生えたやりがいさえも、奪われてしまった。

 


 

その日以降、お酒を飲む日が続いた。

 

今までは、夜遅くまで仕事だった。
だが、プロジェクトリーダーを外されてからは、夜19時に帰ってくるようになった。

 

食後は、毎日のように酒を飲む様になった。
アルコールは長年控えていたが、お酒を飲まずにはいられなかった。

 

妻は、私の酒の量を心配して気を使ってきた。

 

しかし、妻に俺の何が分かる!?
俺が、会社でどれだけ不遇を受けているか知ってるのか!?

 

それでも、家族のためにどれだけ耐えているのか分かっているのか!?
どれだけ、ストレスを抱えながら生きているか、分かる訳がない!

 

だが、そんな事を妻に言えない。
男として、夫として、一家の主としてのプライドがある。
妻には、弱いところなど見せられない。

 

それに、妻に愚痴を言っても何も解決しない。
妻は家庭を支えてくれていし、むしろ感謝をすべきだ。

 

あぁ、辛い。
会社が辛い。

 

会社を辞めたい…。

 

だが、家族がいる以上、会社を辞めるわけにはいかない。
課長の後輩Cが憎いが、仕事を投げ出すわけにはいかない。

 

それに、俺には愛する家族がいる。
家のローンはあと30年近くも残っている。

 

子どもはもうすぐ中学生で、これからますます教育費がかかる。
2人の子供を大学卒業までかかる学費は、それぞれ1000万円以上必要だろう。

 

会社を辞めたい。
しかし、会社を辞めたら家族を養えない。

 

辞めても地獄。
辞めなくても地獄。

 

俺は今年40歳になる。
今更、やり直しなど効かない年齢だ。

 

俺の人生、いったいどうなってしまうのだ?
もう、何も考えないずに、ただ生きていくしかないのか?

 

出世遅れた男性不動産投資家

 

そんなある日だった。

 

定時で帰ろうとした時、
会社のエレベーターで同期の伊藤にバッタリ会った。

 

伊藤は、入社当時から仲良い関係だ。
入社当時は、平日仕事後はもちろん、土日もよく遊んだりしていた。

 

伊藤は、とてもやさしくて良い奴だ。
だが、昔から異性からは全くモテなかった。
俺は、そんな伊藤のために何度も合コンをセッティングした。

 

そのおかげもあり、伊藤は30歳を過ぎた頃、人生の伴侶にめぐり会えた。
結婚式での伊藤は、とても幸せそうな顔をしていた。

 

お互い結婚してからは遊ぶ機会は減った。
だが、今でも年賀状を送り合ったり、たまに家族同士で会ったりしている。

 

伊藤は、昔から陽気なキャラで常に笑顔だ。
だが、その陽気さが、上司の気に触っているという話も聞いたことがある。

 

実際、今では俺と同じく出世コースから外れている。
同期の中でも、かなり出世に遅れている方だ。

 

だが、久しぶりに会った伊藤は生き生きしている。

 

会社で出世できずに肩身が狭いはずなのに、弱気な素振りは全く感じられない。
以前、窓際部署の『営業サポート推進センター』に異動した先輩たちとは大きな違いだ。

 

時計を見ると、まだ19時。

 

俺は、伊藤を一杯だけ飲みに誘った。
伊藤は、笑顔で俺の誘いに快く応じてくれた。

 


 

お酒が入って、俺も伊藤も饒舌になってきた。

 

俺は、伊藤相手に会社と上司の愚痴を言い続けた。
後輩Cがいかにムカつくかを語ってやった。

 

伊藤も負けじと愚痴ってくる。

 

しかし、俺とは違って自分の失敗談などが主だ。
しまいに、降格するかもとか言い出す始末。

 

伊藤は昔から、陽気なキャラだった。
常に元気で前向きで、何事にもチャレンジャーだった。

 

だが、さすがにお酒が入ったとはいえ、自虐的すぎる。
出世できてないとか、『降格するかも』とか自ら言うか?
俺なら、どんなに酔ってもそこまで自分を蔑むことは言えない。

 

それに、俺は会社の愚痴を言ってうんざりしているのに、伊藤は会社の愚痴など一切言わない。
出世から完全に外されれば誰もが会社に文句があるはずなのに、伊藤はそんな素振りは全く見せない。

 

なぜ、伊藤はこんなに元気なのだ?
愚痴を言うつもりが、伊藤の元気さが不思議になってきた。

 

俺が一通り会社の愚痴を言った後は、
お互いの年末年始の過ごし方の話になった。

 

俺は、家族で実家に帰ってゆっくり過ごした。
妻は旅行に行きたいと言っていたが、年末年始は料金が高いことを離すとすんなり諦めてくれた。

 

また、当時の俺はプロジェクトを任されていた。
そのため、ゆっくり旅行に行っている余裕は無かった。

 

伊藤に年末年始の過ごし方を聞いた。

 

伊藤は、家族で海外旅行に行ったそうだ。
年末年始なんて飛行機代が高いのに、よく海外とか行けるなぁ。
さすがに羽振り良すぎだろう。

 

次に、お互いの家庭の話になった。

 

俺は、子どもの高校進学や大学進学が控えていることや、住宅ローンがまだ30年近くも残っていることを離した。

 

そして、伊藤の状況を聞こうとして耳を傾けていた。
だが、伊藤の発言は予想外の内容だった。

 

 

 

『実は、去年家を引っ越したんだ。
新宿のセントラルタワーってマンション知ってる?』

 

セ、セントラルタワーだと!?
新宿の超高級タワーマンションじゃねーか!?

 

なんで、伊藤はそんなとこ住んでいる!?
伊藤って、金持ちだったの!?

 

 

 

『なんでそんなに金あるんだよ!?
俺たち、基本給も残業代もボーナスも、同期で最低クラスなはずだろ!?』

 

ぶっちゃけ、年収700万円程度だろ!?
なんでセントラルタワーなんて住めるんだよ!?

 

その時、伊藤は今まで見せたことが無い表情をしていた。
笑顔であるが、何か隠している様な笑顔だ。

 

だが、次の瞬間、
伊藤は意を決したように語りかけてきた。

 

 

 

『田中よ。
実は俺、7年前から不動産投資を始めたんだ。』

 

 

 

『え!?
不動産投資!?

 

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