不動産投資のアパート物件探し 第7話
さて、今日も不動産投資用の中古アパートの調査に行こう!
前回は、川口、春日部、坂戸などを見て回った。
今回は埼玉県の中でも、都内から見て北西方向に行ってみよう。
電車でいうと、東武東上線が通っている地域だ。
東武東上線沿いで興味がある中古アパートは2棟。
時間の余裕はあるので、沿線の街並みをしっかりと観察しよう。
さっそく現地調査にGO!
池袋駅から東武東上線に乗り換えて約20分。
まずは、和光市駅で降り立った。
実は、最初の物件の最寄り駅は朝霞駅。
朝霞駅は和光市駅の1駅隣だ。
なぜ、隣の駅で降りたのか。
健康のために歩こうとしているのか。
降りる駅を間違えてしまったのか。
早くもボケてきたのか。
正解は、街の雰囲気を覚えるためだ。
決してボケてなどいない。
せっかく東武東上線沿いの街に来たのに、
目当ての物件だけ見て帰るのはもったいない。
今後もこの近くに良い物件を見つけるかもしれない。
その際、あらかじめ街並みを知っていれば判断しやすい。
和光市駅前は開放感があってとてもキレイだ。
駅前は飲食店なども多く、賑やかさを感じる。
さすが和光市駅。
東京都から近いからかとても人が多い。
東武東上線の他に東京メトロの副都心線と有楽町線も、この路線に乗り入れている。
都内のほぼどこにでも行けるくらい交通の便の良いので、栄えていて当然だ。
和光市駅前をひと通り見た後、徒歩で物件を目指す。
歩いている間、周囲の観察は怠らない。
人通りは多いか、少ないか。
車は多いか、少ないか。
高いビルやマンションはあるか。
高さはどのくらいか。
道は平坦か坂があるか。
道幅は広いか狭いか。
土地は区画整備されているか。
坂や崖はあるか。
中古アパートは多いかどうか。
実際の入居率はどうか。
どの様な外観や間取りのアパートが多いか。
五感を働かせながら歩く。
実際に歩くことで、その街を肌で覚えることができる。
すれ違った何人かに怪訝な目で見られた。
キョロキョロして歩いていたからだろう。
もしかしたら、怪しいと思われてしまっていたかもしれない。
全く怪しいことなどしていないのに。完全に誤解だ。
むしろ、私が怪しい場所などを探している側だ。
①売りアパートの販売条件
東武東上線 朝霞駅 中古一棟アパート
所在地 | 埼玉県朝霞市 |
---|---|
最寄り駅 | 東武東上線 朝霞駅 |
1日乗車人員 | 34000人 |
駅徒歩 | 12分 |
構造 | 木造アパ-ト |
築年数 | 26年 |
販売価格 | 3,500万円 |
満室家賃 | 380万円 |
利回り | 10.8% |
積算価格 | 2200万円 |
※積算は相続税路線価ベース
<物件選定理由>
立地 | 最寄駅が1日乗車人員3.5万人 |
---|---|
利回り | 10%台の利回り |
担保力 | 積算価格が販売価格の63% |
その他 | 適度な価格帯 |
和光市駅から歩くこと30分。
ついに物件に到着。
こ、この物件。
めちゃくちゃカッコいい!
白色の外観。
どことなくヨーロッパ風の雰囲気。
超絶イケメン物件だ。
建物の造りも面白い。
建物の中央部が通路となっており、そこを抜けて2階に上がる。
1階にも各部屋に小さなバルコニーがある。
築20~30年ほどの中古アパートは、いくつも見てきた。
この中古アパートは、今まで物件調査した中で最もオシャレな外観だ。
物件の外観を見ただけで、こんなに気持ちが上がるなんて。
この年で、こんなに心躍るなんて。
だが、問題は入居者が部屋を決める時、建物の外観は重要視するだろうか?
間違いなく、重要視する。
立地や家賃の条件が満たされた物件を見に行っても、外観が微妙だったら申込を躊躇する。
特に女性は、男性よりも見た目のイメージを重要視する。
入居者が気にするのだから、不動産投資家としては入居者の身に立って気にすべきだ。
今までの中古アパートを見に行った際に、外観を見て気持ちが上がったりもすれば下がったりもした。
以前、不動産投資会社P社に『未公開物件』として提案された中古アパートは、物件を見た瞬間に気持ちが下がった。外観が地味で、ただの黄土色の箱にしか見えなかった。
一方で、その後に見た浜松のRCマンションは、外観を見て感動を覚えた。
周囲の広い道の雰囲気と、RCの立派さや立派さに良い印象を受けた。
俺が外観を気にするのと同様に、当然入居者も気にする。
誰もが、オシャレでキレイな家に住みたいと思うものだ。
だが、外観は後から変えることはできない。
せめて、清掃をして清潔感を出すだけでイメージは全然変わる。
ゴミや汚れがいっぱいだったら、せっかくのイケメン物件も台無しだからだ。
だが、やはり外観は大事だ。
男も女も不動産も、イケメンは得なのだ。
できれば、俺もイケメンに生まれたかった。
もし俺がイケメンに生まれていたら…、もっと人生楽しかったに違いない。
おっと、話が反れてしまった。
まずは、管理状態をチェックしなければ。
ゴミ無し。
サビ無し。
汚れ少々。
虫は住んでない。
コンクリートの土台にヒビ割れ無し。
建物自体にも問題無し。
素晴らしい。
これほど清潔なイケメン物件は珍しい。
ついに運命の中古アパートに出会えたかもしれない。
色々と中古アパート探しを続けていた甲斐があった。
ただ、気になる点が。
最寄駅からが遠いのだ。
朝霞駅の1日の乗車人員は3.4万人ほど。
駅の規模は申し分ない。
だが、この物件は駅から徒歩12分。
これは、単身者にとっては少し遠いのでは。
同じ家賃でもっと駅に近い物件は探せば有る。
しかも、この周辺は古い戸建てが立ち並んでいて、道も広くはない。
夜などは、静かで暗い道となるだろう。
単身者にとっては、長く住みたいと思える環境だろうか?
この建物は、かなり良いと思う。
だが、立地には少し疑問が付く。
立地は、買った後にどうにかできるものではない。
立地に問題があれば、買った後から改善しようが無い。
焦る必要ない。
焦って良いことなんて一つもない。
この中古アパートは、買って失敗することは無いと思う。
だが、いったん保留としよう。
不動産投資の教訓22
建物の外観は重要だ
入居者が部屋を決めるとき、建物の外観は重要視する。
誰もが、オシャレでキレイな家に住みたいと思うものだ。
中古アパートは見た目を変えられないが、せめて清潔感は出しておこう。
本日2棟目は、同じ朝霞駅の物件だ。
ただ、駅を挟んで反対側にあるため、20分以上歩かなければ。
②売りアパートの販売条件
東武東上線 朝霞駅 中古一棟アパート2
所在地 | 埼玉県朝霞市 |
---|---|
最寄り駅 | 東武東上線 朝霞駅 |
1日乗車人員 | 34000人 |
駅徒歩 | 13分 |
構造 | 木造アパ-ト |
築年数 | 23年 |
販売価格 | 2800万円 |
満室家賃 | 2700万円 |
利回り | 9.6% |
積算価格 | 1300万円 |
※積算は相続税路線価ベース
<物件選定理由>
立地 | 最寄駅が1日乗車人員3.4万人 |
---|---|
利回り | ― |
担保力 | ― |
その他 | 適度な価格帯 |
朝霞駅の両側にはいろんな店がある。
そして、人も多くて活気がある。
さすが、1日乗車人員3.4万人の駅だ。
駅前のR社という不動産屋が目に入った。
このR社、駅前の最も目立つ場所に店舗を構えている。
少し派手目な看板は、イヤでも目に入ってくる。
この時、あることを思い出した。
この不動産屋R社、和光市駅前にもあったぞ。
和光市駅でも朝霞駅でも、駅前の最も目立つ場所に店舗がある。
正直、大手のエイブルなどよりも目立っていた。
部屋探しをしている人は、この不動産屋に吸い込まれていくだろう。
街を歩いていても、多くのマンションやアパートにR社の看板が掲げられていた。
エイブルやアパマンショップなどの大手よりも多い印象だ。
調べてみると、東武東上線沿線中心に約10店舗展開している不動産屋だ。
エリアは限られているが、この地域では大手に負けないくらい目立っている。
ある特定の地域に特化した不動産屋なのだろう。
R社は、東武東上線沿いで、他を寄せ付けない存在となのか!?
駅を越えて、目的の中古アパートを目指して歩く。
引き続き、周囲を見渡しながら歩く。
駅周辺の環境もしっかり把握しよう。
途中にいくつもの中古アパートを見かける。
その中で、築20~30年の物件があれば立ち止まる。
そして、アパートの入居状況などをチェックする。
駅から10分ほど歩いた。
そろそろ足が疲れてきた。
今日は和光市駅から歩きっぱなしだ。
足のしびれを感じ始めた頃、ついに物件に到着。
まぁ、悪くはない。
築23年のわりには、古さはそれほど感じない。
むしろ、他の築古アパートと比べると良い方だ。
だが、1棟目に見たアパートに比べると見劣りする。
1棟目のアパートがイケメンすぎるのだ。
また、1棟目よりも利回りは1%ほど低い9.6%。
この1%の差は、とてつもなく大きい。
外観と利回りで1棟目よりも劣っている。
迷うことはない。
見送り一択。
次行こう、次!
2棟目の物件を見た後、朝霞台駅に行くことにした。
朝霞台駅では、東武東上線とJR武蔵野線が交差している。
交通の便が良い場所だ。
さぞかし、人も多いだろう。
不動産投資家として、一度は朝霞台駅の周辺環境を見ておきたい。
時間は十分あるので、徒歩で目指す。
少しでも朝霞市の街を覚えるために。
直線距離は3キロだが、色々回り道もした。
実際には5キロくらい歩いただろう。
最後の方は、休憩とストレッチを何度も繰り返していた。
杖をついたおじいさんより、歩くのが遅かった。
朝霞駅を出発して約1時間。
足がパンパンになりながらも朝霞台駅に到着。
ここが朝霞台駅か。
さすがに人が多い。
東武東上線は大きな駅が多いんだな。
朝霞台駅は、池袋まで電車で20分以内。
有楽町線や副都心線への直通電車に乗れば、銀座や新宿も30~40分ほどで行ける。
今まで知らなかったが、とても便利な駅なのだ。
東武東上線の朝霞台駅の改札近で、立ち止まる。
人の流れを観察するためだ。
その時、電車が到着する音がした。
次の瞬間、大量の人が改札から出てきた。
優に100人以上。とにかく大量のヒトヒトヒト。
改札を出た大量の人は、みな一斉に同じ方向を目指す。
みな、どこに向かっているのだ?
気になるから、私も付いて行ってみよう!
人の群れに紛れて歩く。
みな、よそ見することなくまっすぐ歩く。
すると、ほとんどの人はJRの改札に吸い込まれていった。
なるほど。
みんなJRの改札を目指していたのか。
東武東上線の朝霞台駅は、JR武蔵野線との乗換駅でもある。
しかも乗り換えはいったん改札を出る必要がある。
東武線の改札から出てきた人の群れは、
乗り換えのためにJRの改札に吸い込まれていったのだ。
多くの人が乗換だけのために改札から出てくる。
だが、それだけ便利な駅であることは間違いない。
実際、駅前には様々な店がある。
10階建て以上のマンションもいくつかある。
住居やアパートも密集している。
田畑など入る余地もない。
この日、
和光市駅から朝霞台駅に至るまで、
東武東上線沿いの発展具合を見せつけられた。
埼玉から東京都内に行くには、大きく分けて3つの路線がある。
1つ目は、JRだ。
大宮や浦和や川口などからは、JRで都内に来ることが多いだろう。
この路線は埼玉だけでなく、茨城、栃木、群馬からも人を運んでくる。
埼玉を含めた広範囲の人が、このJRの路線を通って都内に来る。
大宮を始め、浦和や川口、蕨など、どの駅も栄えている。
JRの3つの路線は、埼玉―東京間のメインストリートと言っていいだろう。
2つ目は、東武伊勢崎線だ。
春日部や越谷や草加などから、北千住駅や日比谷線に出ることができる。
東武線もかなりの範囲から人を運んでくる。
直通で日比谷線に繋がっているので便利ではある。
3つ目は、東武東上線だ。
川越や朝霞や和光などから、池袋など都内各所に出ることができる。
2回に分けて埼玉の物件調査に行ったが、共に都内を目指す路線沿いの物件を見に行った。
当初の予想では、JR沿線が最も栄えていると考えていた。
確かに、西川口の物件周辺は住宅とアパートが密集しており、人口密度が高かった。
だが、予想外だったのは東武東上線だ。
和光市駅前や朝霞駅前はとてもキレイに整備されている。
北朝霞駅と朝霞台駅の改札は、乗換客で混雑するほどにぎわっている。
そして、地域全体にわたって、住宅・アパートが密集している。
私鉄だが、JRに負けない規模の街を形成していた。
それにしても、朝霞の1棟目の中古アパートはかなり良かった。
めちゃくちゃイケメン物件だった。
だが、駅から12分という距離が気になって見送った。
見送っても、数日は忘れられない物件だ。
今回の物件調査も、とても有意義な1日となった。
その街を知るには実際に行くのが一番だ。
一度行けば、永く記憶に残る。
緊急時や忙しい時は、グーグルマップやストリートビューで見るのも悪くはない。
だが、実際に街へ行くと、ネットで見るのとは比べ物にならないくらい理解が深まる。
物件を買おうとしている地域が決まっているなら、まずは現地に行ってみよう!
これで、2度続けて埼玉県の中古アパートの物件調査に行った。
今まで、神奈川、埼玉と見に行ったことになる。
一都三県で残すはひとつ。
次の物件調査は、千葉県だ!