不動産投資の経営記録

中古一棟アパートの売主は超富裕層のおばあさんだった!

第1号アパート購入秘話 第2話

千葉の中古一棟アパートの仮審査は通った。
次は、不動産売買契約の準備をしよう。

 

不動産の売買契約は人生初めてだ。
だが、何を準備すればいいかは、なんとなく分かっている。
それも、セミナーのおかげでもある。

 

不動産の売買契約に必要な物

①不動産売買契約書・重要事項説明書の事前確認(以下、契約書・重説)
②手付金
③収入印紙
④実印と印鑑証明
⑤売主への手土産

 

これらを、契約までに準備・確認しなければならない。

 

①契約書・重説の事前確認

契約書・重説は、不動産会社が用意してくれる。

 

だが、融資特約などは事前に売主と調整して決めなければならない。
私に不利な文言が組み込まれていないかなども、慎重に確認しなければならない。

 

また、契約の当日に決めようとすると時間が長引いてしまう。
そのため、事前に草案を送ってもらい、契約までに内容を確認・調整するのが良い。

 

セミナー資料を何度も見返しながら、契約書・住設の内容を確認しよう。
その中で、次の3つはきちんと確認しておくポイントだ。

 

契約書・重説のポイント

・土地価格と建物価格の割合の設定
・融資特約条件の設定
・土地や建物の条件の確認

 

土地価格と建物価格の割合の設定
売買価格を、土地と建物に分ける。
特に、建物の価格は確定申告の減価償却で重要になってくる。

 

今回の売買金額は、以下の様に設定した。

 

土地・建物を分ける方法例

売買金額=土地価格+建物価格
土地価格=相続税路線価×土地面積
建物価格=売買価格-土地価格

 

融資特約条件の設定
融資特約とは、融資の本審査が下りなかった場合に、売買契約をキャンセルするための条項だ。融資特約でキャンセルすれば、手付金は全額返ってくる。

 

融資特約の条件で重要なのは、融資審査が不可であった場合だけでなく、希望の融資条件ではなかった場合にもキャンセルできるにしておくのも重要だ。

 

なぜなら、想定よりも短い期間や高い金利で審査が下りてもキャッシュフローが減ってしまう。場合によっては賃貸経営が成り立たない状況となるからだ。

融資特約の項目

・融資予定の銀行
・融資金額
・期間
・金利
・契約解除の期限

 

土地や建物の項目の確認
土地や建物項目によって、不動産の評価は異なってくる。
当初に見た販売図面が間違っているなど頻繁にある。

 

契約書・重説できちんと確認しよう。

土地建物で確認する項目

・土地面積
・建物面積
・建ぺい率、容積率
・接道状況
・建物の築年数

 

不動産会社から送られてきた草案を見ながら、丁寧にチェックしていく。
セミナーで、契約書・重説の確認ポイントを聞いておいて良かった。

 

3回ほど内容を確認したが、問題はなさそうだ。
よし、契約書・重説は合格!

 

②手付金

手付金とは、売買契約時に買い手が売主に支払うお金だ。
売買価格の10%ほどに設定する場合が多く、支払総額の一部になる。

 

契約時に手付金を支払うことは、ちゃんとした意味がある。

 

売買契約後、引き渡しまでに買主が購入をキャンセルしたい場合は、手付金を放棄すれば契約解除可能だ。他に良い物件が現れたり、何かしらの事情で買主都合で契約を取りやめる場合に該当する。
※融資特約でのキャンセルでは、手付金は全額返ってくる。

 

一方、売主が売却をキャンセルしたい場合は、手付金の2倍を買主に支払うことで売買をキャンセルできる。他にもっと高く買う人が現れたりしたときや、売主都合で契約解除したい場合の手段だ。
※売主が契約解除するために手付金の2倍を払うことを、『手付倍返し』と言う。

 

今回の契約時での手付金は300万円。

 

会社の昼休みに銀行に行こう。
帯付き百万円の束を3つ用意しよう。

 

③収入印紙

不動産の売買契約では、契約書には収入印紙を貼らなければならない。
決められた額の収入印紙を貼ることで、契約が有効であると見なされるのだ。

 

基本は、買主・売主が自分用の収入印紙を用意する。
いくらの収入印紙を用意すべきか、不動産会社が教えてくれる。

 

不動産の売買契約では、収入印紙は1万円など高額になりやすい。
高額な収入印紙は、確実に買える郵便局に行こう。
コンビニには高額な収入印紙は置いてない場合が多いからだ。

 

④実印と印鑑登録証

不動産売買契約書に何か所も印鑑を押すことになる。
また、融資契約でも必要となる。

 

実印は、後々まで残るものなので立派なモノを用意したい。

 

また、事前に役所で印鑑登録をしておき、印鑑証明を取得する必要がある。
実印と印鑑登録は、早めに済ませておこう。

 

⑤売主への手土産

売主に渡す手土産を用意しておこう。
百貨店で売っている3,000円ほどのお菓子の詰め合わせで十分だ。

 

そもそも、売主に手土産を渡すことは必須ではない。
なぜ手土産を渡すことにしたのか?

 

あるセミナー講師が、お土産の重要性を説いていた。

 

『売買契約を終えても、引き渡しまで油断してはいけない。
何が起こるか分からないのが不動産取引。

お土産を渡して、売主に良い印象を与えておけ!』

 

良い物件であれば、他の投資家がより高値で買付を入れることがある。
契約後に予期せぬことが起こって、売主と話し合いをすることもある。

 

そのため、売主には少しでも良い印象を与えておくべきだ。

 

少なくとも、手土産を渡してイヤだと思う人はいない。

 

会社から帰宅後、契約書・重説の草案をチェック。
本やセミナーの資料を読みながら一つ一つ調べていく。

 

手付金は、会社の昼休みに銀行から引き出した。
300万円が入ったカバンを抱えて帰宅する時は緊張した。

 

今回の中古アパートの売買価格は約3,000万円。
こんな大金の契約は人生初めてだ。

 

だが、大丈夫。
俺はたくさんの中古アパートを見比べて決めた。
失敗なんてするもんか。

 

そして、ついに売買契約の日を迎えた。

 


 

土曜の朝10時。

 

都内の不動産会社の店舗に到着。
ドアを開けて、俺はあいさつをした。

 

担当者は俺を見て少しびっくりしている。
『こんな若造がアパートを買うのか!?』と思ったに違いない。
30歳前半で大家になるのだから、そう思うのは当然だ。

 

だが、不動産投資に年齢など関係ない。
そのアパートが、買いたいかどうかだけだ!
(融資を受けれるかが最も重要だが…)

 

売主はすでに到着していました。

 

売主は80代のおばあちゃん。
売買契約には、息子さん(50代)と一緒に来ていた。

 

話を聞くと、このアパート以外にもいくつか不動産を持っているらしい。
しかも、一つや二つではないらしい。
銀座の近くにビルも持っているとのことだ。

 

とても金持ちとは思えない風貌。
どこにでもいるおばあちゃんだ。

 

だが、このおばあさん、
世間でいう富裕層の一人か。
全財産は億など余裕で超えてそうだ。

 

こんなところで富裕層との接点があるなんて。

 

今回の売買は、『富裕層が投げ売る不動産を、一般人の私が安く買う』という構図か。
富裕層から、富をほんの少し分けてもらえたことになるのか。

 

世のことわりが少し分かった気がする。

 

関係者が揃うと売買契約が始まった。

 

売主と買主が向き合って座り、不動産会社が斜め横に座る。
不動産会社は宅建業の登録証を机に置き、契約書・重説を読み上げていく。

 

契約書・重説の内容確認は、既に確認済みだ。
したがって、不動産会社が読み上げる内容をただ聞いているだけだ。

 

売買契約は、問題なく進んだ。
最後に印鑑を10ヶ所以上押して、300万円の手付金を支払う。

 

売買契約は1時間ほどで終了。
初めての契約は、あっという間に終わった。

 

契約後、売主の息子さんに家の近くまで車で送ってもらった。

 


 

家に着いたのは、まだ昼過ぎだった。
だが、俺は初めての不動産契約で疲れ切っていた。

 

初めての不動産の売買契約。
約3,000万円の契約を終えた。

 

こんな大金の契約をするなんて、わずか3か月前には考えられなかった。

 

3ヶ月前に、不動産投資を志してから不動産一色の毎日を送ってた。
2ヶ月前から、一都三県の中古アパートを見に回っていた。

 

そして、ついに理想的なアパートと出会うことができた。
売買契約も無事に終えた!

 

張りつめていた気持ちが少し楽になった。
同時に、じわじわとしたうれしさが出てきた。

 

しかし、まだ決済・引渡は終わってない。
引渡が終わって、初めてオーナーになるのだ。

 

決済・引渡までにすべきことはたくさんある。

 

スルガ銀行の本審査を通過し、融資契約をしなければ。
火災保険の申し込みも必要だ。
管理会社をどこにするかも決めなければ。

 

契約が終わっても、まだ気を抜けない。
満室になるまで気を引き締めなければ。

 


 

不動産売買契約を終えた翌日、
本審査申し込みでスルガ銀行に電話した。

 

担当者からは、本審査に必要な資料一覧がメールで送られてきた。

 

融資本審査に必要な書類一式

【公的書類】
印鑑証明書
世帯全員の住民票
所得証明書
課税証明書
納税証明書
固定資産税納税証明書(既に不動産所有の場合)

【物件関連資料】
売買契約書、重要事項説明書、手付金領収書
賃貸借契約書
現在事項証明書(土地・建物)、公図
火災保険申込書の控え、質権設定承認請求書

【個人関連資料】
自己資金確認資料(通帳コピーなど)
源泉徴収票 3年度分
直近の給与明細
免許証、保険証
実印、銀行届出印
収入印紙
事前審査依頼書原本

 

メールを見た瞬間、気が遠くなった。

 

まじかよ。
必要な資料多すぎ。

 

聞いたことが無い証明書がいくつもある。
なぜこの世にはこんなに証明書が多いのだ。

 

そもそも、これらの証明書は、
いったいどこで手に入れるのでしょうか。
もう、頭がまっ白です。

 

しかし、融資審査のためにも資料を集めなければいけません。
あの中古一棟アパートが、俺を待っているのだから。

 

さっそく、ネットで証明書の取得方法を調べた。

 

課税証明書と所得証明書

住民票の役所で取得できる。
郵送でも申請可能で、申請書は役所のホームページからダウンロードできる。

 

申請書、返信用の封筒、指定された金額の定額小為替(ていがくこがわせ)を同封。

 

定額小為替とは、役所への代金支払いに使う切手の様な物。
ただ、郵便局でしか買えない。

 

平日昼間に役所に行けないので郵送での申請する。。
しかし、平日昼間に郵便局へ定額小為替を買いに行かなければならないという矛盾。

 

納税証明書

住民票のある税務署で取得できる。
郵送で申請可能で、税務署のホームページから取得できる。

 

納税証明書はいくつか種類があるが、申請区分が非常にややこしい。
とりあえず、納税証明書 その1、その2、その3の2を容易すれば問題なさそうだ。

 

課税証明書と所得証明書は、市区役所へ申請。
納税証明書は、税務署へ申請。
間違わない様に。

 

固定資産税納税証明書

既に不動産を持っていれば、毎年固定資産税を支払わなければならない。
固定資産税納税証明書は、固定資産税を支払っていることの証明書だ。

 

保有物件の所在地の役所で取得できる。
郵送も可能で、申請書は役所のホームページから取得できる。

※不動産は持ってないので、今回は不要。

 

現在事項証明書と公図

既に不動産を持っていれば、提出が必要だ。

 

登記ネットから申請するのが楽だ。
支払いは、PayPal(ペイパル)やコンビニ振込みでとても便利だ。

※不動産は持ってないので、今回は不要。

 

火災保険

火災保険は、保険代理店を通して申し込む。
銀行からの紹介もあったが、自分で安い保険を探すのが吉。

 

保険料は、保険会社ごとに変わる。
一方、どこの代理店を使っても、保険会社が一緒だと保険料は変わらない。

 

火災保険という名前だが、
火災以外の様々な災害に対する補償がつけることができる。
もちろん、補償内容によって保険代は変わってくる。

 

火災保険の補償内容例

・火災・落雷・破裂・爆発
・風災・雹(ひょう)災・雪災
・建物外部からの物体の落下・飛来・衝突等
・給排水設備に生じた事故からの水漏れ
・集団行動による破壊行為等
・盗難
・水災
・不測かつ突発的な事故(破損、汚損等)
・地震・噴火・津波
・施設賠償保険

 

保険代理店に、所在地・物件種別・建物面積・戸数・建築年月の資料をメール送付。
保険代理店は、補償内容に見合った保険料を試算してくれる。

 

また、銀行によっては『質権設定』を求められる場もある。
火事等があったとき、銀行が優先的に保険金を受け取る優先権だ。
必要な場合は、保険会社から書類を送ってもらおう。

 

保険料を支払うと保険証書が送られてきて、契約は開始する。
(お金の支払いは、融資本審査の通過後にしよう。)

 


 

本審査用の書類を集めるには約1週間かかった。
だが、ほとんど郵送で取り寄せられるので思ったより楽だ。

 

無事に書類を集めるとスルガ銀行に送付。

 

一週間後、本審査通過の連絡があった。
融資額減額も無く、当初の想定通りの条件。

 

よし、これでひと安心だろう。

 

念のため、スルガ銀行の担当者に聞いてみた。
本審査が通った後に取り消されることがあるのか、と。

 

担当者は、落ち着いた口調で言った。
『本審査取り消しとか見たことありません』
『戦争とか怒らない限り大丈夫ですよ』 

 

戦争とか止めてくれよ。
決済・引渡が終わるまで、みんな我慢しろよ。

 

融資契約は、平日夜19時から。
場所は、スルガ銀行東京支店。
日本橋三越の目の前にある真っ黒な建物だ。

※写真

このビルが、世のサラリーマンに数千万~数億円という融資をしている。
スルガ銀行の融資で、この世の春を謳歌する人もいれば、地獄を見る人もいる。

 

俺は・・・どっちだ?

 

そんなことを考える余裕も無く、融資契約は始まった。

 

融資契約自体は、1時間ほどで終了。
たくさん印鑑をついたが一瞬で終わった。

 

契約の終わり際に、ある重要なことを思い出しました。
決済の日は、私は仕事の都合で立ち会うことができそうにない。

 

しかし、まったく問題ないとのこと。

 

委任状を書いておけば、私は決済に立ち会わなくて良いのです。
その場で不動産会社に電話し、買主代理として出席してもらうように要請した。

 


 

融資契約から3日後。
ついに、決済・引渡の日が来た。

 

私は、想定通り、どうしても仕事を休めなかった。
そのため、不動産会社に買主代理として出席してもらった。

 

本当は決済に立ち会いたかったのだが。

 

仕事中、スルガ銀行担当者から携帯に着信が。
無事に決済が終わったとのこと。

 

この瞬間、俺は中古アパートのオーナーとなった。

 

今まで色々準備などをしてきた。
不動産投資を本を読み漁り、色んなセミナーに参加した。

 

一都三県の、いろんな物件を見に行った。
そして、運命の中古アパートと出会った。

 

ついに、念願の不動産オーナーになった。
今日から家賃収入が発生する。

 

これから様々な困難が現れるかもしれない。
リフォームを行うことになるかもしれない。
空室や滞納に悩むかもしれない。

 

でも、大丈夫!
絶対乗り越えられるはずだ。

 

なぜって!?

 

こんなに良い物件は、
他には無いのだから!

 

後から不動産会社に聞いた話

第1号アパート購入後、不動産会社に色んな話を聞いた。
このアパートを売るまでには、色々あった様だ。

 

私が問い合わせる前に、別の人は価格交渉まで進んでいたそうだ。
だが、交渉は途中で決裂してしまった。

 

すると、その買主候補は不動産会社の店舗に来て、怒鳴り散らしたらしい。

 

売主はその態度を聞いて、
『どんな価格でも、この人には絶対売らない』
と心に誓ったという。

 

その後、紆余曲折があって私が買うことになった。

 

不動産会社は言っていた。

 

不動産会社_若手

 

不動産取引は、縁が全てなのです。

 

 

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